パスタを茹で汁を流しに全部捨てている?ちょっと待って、その茹で汁は”万能の液体”。それを捨てるなんてもったいない!
パスタは小麦粉でできている。茹でるとお湯の中にでんぷんが残り、茹で汁は白く濁る。
でも、汚れたお湯だと思って捨ててしまうのは間違い。
茹で汁は汚れたお湯ではなく、ソースを乳化させて濃くする、まさに万能の液体なのだ。なぜソースを乳化させなきゃいけないのかって?それは......。
乳化により味に違いが出ると、私たちの舌と科学が証明している
トマトソースのスパゲティをつくると、水っぽくなってお皿に赤い水たまりができてしまう、なんてことないだろうか。びちゃびちゃして、せっかく作ったパスタが台無しだ。この水たまり、パスタに含まれる水分とオイルが、ソースと分離した場合にできる。
それを防ぐのが、乳化だ。
乳化は、通常混じり合わないふたつの液体を結合させるプロセス。パスタの場合、その液体は水と油だ。このふたつを混合させて滑らかにし、分離しないようにする。
乳化を促している物質は、パスタの茹で汁に含まれるでんぷんだ。おたま1杯分の茹で汁をゆっくりとソースに混ぜると、水分とオイルが結合してクリーミーで濃厚なソースができる。水と油が分離しないので、びちゃびちゃした水たまりはできない。
パスタも水洗いしない方がいい。パスタは茹で汁の中で、でんぷんでコーティングされる。コーティングされたパスタをソースとうまく結合させると、さらに美味なハーモニーが楽しめる。
果たして、本当に味は変わるのか? フードサイト「Serious Eats」は普通のソースと、茹で汁で乳化させたソースの違いを、一般の人がわかるか試食テストをしている。3種類の方法でつくったパスタを食べてもらった結果、茹で汁を使ったパスタに圧倒的に軍配が上がった。
茹で汁マジックは、トマトソースだけではなく全ての種類のソースに有効だ。アルフレッドソースの油っぽさを緩和し、バジルソースに滑らかな食感を加える。
茹で汁を救う方法
最後に、茹で汁をキープする方法をご紹介しよう。
・どうしても茹であがったパスタをザルで湯切りしたいという人は、数カップの茹で汁をボウルに入れておくのがお勧め。
・中に金属ざるのついたパスタ鍋を使うのも良い。ざるを引き上げれば、鍋の中に茹で汁が残る。
・スパゲティやフェットチーネのようなロングパスタの場合、トングで鍋から引き上げて、ソースの鍋に入れよう。
・マカロニやペンネのような短いパスタは、お玉ザルでお湯から引き上げよう。
次にパスタを茹でる時、思わず習慣でお湯を捨ててしまわないよう気をつけて。万能の液体が、流しを落ちていくのを見て後悔するだろうから......。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。