森友学園をめぐる決裁文書改ざん問題で揺れる財務省理財局。ここに所属する男性職員(国有財産業務課の係長)が、2018年1月に死亡していたことがわかった。
事態が明るみになったきっかけは、3月15日にあった森友文書の「改ざん」問題に関する野党合同ヒアリングだった。
希望の党の柚木道義議員はこの職員について、「自死をされてるかもしれない」と指摘。「一人ならず二人も命が失われているようなことなら、ちゃんと明らかにしてもらいたい。書き換えに関わられていて、そのことで亡くなっているとしたら大変なことです」と、事実関係を明らかにするように求めた。
■野党「国会答弁を書くポストだった」と説明求める
森友学園をめぐる財務省の決裁文書が改ざんされた問題では、2017年2月以降に佐川宣寿・理財局長(当時)の国会答弁に合わせて書き換えられた疑いがあると、麻生太郎財務相は説明している。
野党側は、死亡した職員の役職(国有財産業務課の債権管理係長)が、森友学園をめぐる理財局の国会答弁を書く立場だったとして、財務省側に事実関係の説明を求めた。
財務省理財局次長の富山一成氏は「職員個人の問題なので、こういった場でコメントすることは控えさせていただきたい」と答えた。
民進党の杉尾秀哉議員は「亡くなられているのは事実」と指摘。男性職員の役職が「森友の件で一連の答弁を書く立場にあるかどうか。事実関係を聞いている」と、財務省側に質問した。
富山局次長は「これについても職員との関係で、お答えは差し控えさせていただきます」と述べるにとどめた。
読売新聞は3月16日、この男性職員が東京・世田谷区の職員寮で1月に死亡していたと報道。財務省関係者の情報として「国有財産に関する通達の改正などの業務を手がけていたが、森友学園の案件には関わっていなかったという」と伝えた。