ロシアが実効支配している北方四島の色丹島に、アメリカの建機メーカー「キャタピラー社」がディーゼル発電所を建設することが明らかになった。3月13日、ロシアの経済ニュースサイト「プライム」などが報じた。
日本は、第三国の企業が北方四島の経済活動に参加すれば、島に対するロシアの管轄権を認めることになるとして容認できない立場。キャタピラー社に対し、抗議する方針という。
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ロシアのポータルサイト「ルスケーブル」によると、サハリン州のコジャミャコ州知事が13日、色丹島に2つのディーゼル発電所建設計画があることを発表した。
2つの発電所の出力は合計30メガワットで、いずれも島に2つある魚の加工工場向けに電力を供給するのが狙い。発電所建設にはキャタピラー社を含む2つの企業が参画するという。
建設費用は総額50億~75億ルーブル(90億~140億円)に達する見通しで、2018年9月までに1つの発電所は完成予定。もう1つの建設は2019年に着手する。
コジャミャコ知事は「我々は参加企業といい条件で合意できた。魚工場が必要とする電力は確保されるだろう」と語った。
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日本は、自国領である北方四島に第三国の企業が進出することについては容認できない立場。ロシアの法律などを前提に経済活動が進めば、島に対するロシアの管轄権を認めることにつながりかねないからだ。
日本外務省ロシア課はハフポスト日本版の取材に対し、ロシアとアメリカ両政府に対して抗議したことを明かした。担当者によると、ロシア側からは「受け入れられない」という反応があり、アメリカは従来通り、日本の立場に理解を示したという。