ホーキング博士が死去。世界的な物理学者。76歳だった

遺族が公表。「彼の勇気と才能、そしてユーモアは世界中の人々に影響を与えました」
スティーヴン・ホーキング博士(2017年11月撮影)
スティーヴン・ホーキング博士(2017年11月撮影)
Alisa Molotova via Getty Images

「車椅子の理論物理学者」として世界的に知られるイギリスのスティーヴン・ホーキング博士が3月14日、死去した。英紙ガーディアンなどが報じた

ホーキング博士の家族が14日早朝に声明を出し、ケンブリッジの自宅で死去したことを報告。ルーシー、ロバート、ティムの3人の子供たちは声明の中で「私たちは最愛の父が今日亡くなったことをとても悲しんでいます」として、以下のようにコメントしたという。

「彼は偉大な科学者で、並外れた人間でした。その功績は今後も長く生き続けることでしょう」

「彼の勇気と才能、そしてユーモアは世界中の人々に影響を与えました」

そして、3人はホーキング博士の「大好きな人々がいなかったら、宇宙なんて大したことはない」という言葉を引いた上で、「一生忘れない」と綴っている。

■ホーキング博士とは?

コトバンクなどによるとホーキング博士は1942年、オックスフォードに生まれ。1962年にオックスフォード大学数学部、物理学部を首席で卒業し、一般相対性理論を学ぶためケンブリッジ大学大学院の応用数学と理論物理学の研究生となる。

この時代に難病の筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)にかかるが研究を続け、宇宙の始まりのビッグ・バンは、大きさがゼロで密度が無限大という「特異点」となってしまうことを証明。

またブラック・ホールの研究では、そこに入ったものは何も抜け出せないとされていたが、熱が放射されていて、そのためブラック・ホールの蒸発もあることを発見した。

1974年にイギリス・ロイヤル・ソサイエティの最年少会員、1979年ケンブリッジ大学のルーカス記念講座数学教授になった。1985年に肺炎を患い気管切開手術をしてからは話すことができなくなったが、ノートPCと音声合成装置を使って講演や執筆活動をしていた。

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