ソチ冬季オリンピックのフィギュアスケート団体戦で金メダルに輝いたものの、その後摂食障害のため現役を退いたロシアのユリア・リプニツカヤさん(19)が指導者として氷上に戻ってきた。
引退時のインタビューで、コーチになることはないと断言していただけに、ファンからは驚きと喜びの声が上がっている。
リプニツカヤさんはソチオリンピックの団体戦メンバーとしてともに競技に臨み、アイスダンスでも銅メダルに輝いたエレーナ・イリニフさん(23)とフィギュアスケート養成機関「チャンピオンズ・アカデミー」を結成。将来有望な子どもたちを指導する。
アカデミーはすでに始まっており、モスクワの北にあるトゥベルスカヤ州で6歳以上を対象にリプニツカヤさんらは教えている。3月下旬までの予定で、フィギュアスケートペアのマキシム・ミロシキンさん(23)も指導役として加わっている。
リプニツカヤさんは新しい活動について、ロシアのソーシャルメディア「フ・カンタクチェ」やInstagramで発表。Instagramにはアカデミーのアカウントも開設され、指導の様子などが写真や動画で投稿されている。
リプニツカヤさんは2014年のソチオリンピックで、フィギュアスケートが現行ルールになってから史上最年少となる15歳で金メダルを獲得した。だが、その後は摂食障害に悩み、2017年9月に正式に引退を表明した。
その際、ロシアフィギュアスケート連盟のインタビューで、「拒食症は21世紀の病気です。とてもよく起こる問題です。残念なことですが、みんながみんな、それを克服できるわけではないんです」と引退の理由を告白。一方でこうも語っていた。
スケートショーに出るかとよく聞かれますが、今はできないし、出たくもない。オファーはありますけど。時間がたてばたぶん、何か変わるし、氷の上に戻りたくなるかも。まあ、様子見ですね。しかし、コーチにならないことだけははっきりしています。
リプニツカヤさんのスケート界電撃「復帰」に、ファンらは興奮している。リプニツカヤさんのInstagramには「おかえり、ユーリャ(ユリアの愛称)!」「成功を祈る!」などの激励の言葉が並んだ。
リプニツカヤさんらは当面、各地でアカデミーを開く予定だという。