羽生善治竜王(47)と藤井聡太五段(15)の公式戦初対局があった第11回「朝日杯将棋オープン戦」(朝日新聞社主催)準決勝は2月17日、藤井五段が勝利した。藤井五段は午後に開かれる決勝戦に進出する。
これまで両者は非公式戦で2度対戦。1勝1敗だった。
朝日杯は持ち時間各40分の早指し戦。棋士同士のスピード感ある勝負が魅力だ。
中盤まで両者ほぼ互角に進んだところで、藤井五段が仕掛けた。これに対し羽生竜王が反撃。藤井五段が一時、長考に入る場面もあった。
対局開始から約1時間半、ともに持ち時間を使い切って「1分将棋」に突入。火花散る展開が続いたが、終盤、藤井五段は果敢に攻めを見せた。
藤井五段は89手目で「▲2二竜」と相手陣に攻め込んだ。羽生竜王も86手目「△8九歩成」96手目「△7七歩成」と、藤井五段の玉を狙うも届かなかった。
119手目、藤井五段の「▲4七桂」で羽生竜王が投了した。
藤井五段は、今回の朝日杯で優勝すれば加藤一二三九段(78)の15歳10カ月を抜き、史上最年少(15歳6カ月)での「棋戦優勝」と六段昇段を果たすことに。五段在位はわずか16日となる。
■決勝の相手は広瀬章人八段
決勝では、準決勝のもう一局で久保利明王将を破った広瀬章人八段(31)と対戦する。
広瀬八段は朝日杯で2011年度に準優勝。名人への挑戦権を争う「A級」棋士の一人だ。四間飛車穴熊を得意とする実力派だ。趣味は麻雀で、相当な実力。得点計算が非常に早い。
「朝日杯将棋オープン戦」決勝で藤井聡太五段が広瀬章人八段に勝利。117手で勝利した。これにより、藤井五段は一般棋戦優勝の史上最年少記録(15歳6カ月)を更新。史上最年少での六段昇段を果たした。2月1日の五段昇段から、わずか16日だった。