アメリカの映画やテレビ番組のプロデューサーの業界団体「The Producers Guild of America (PGA) 」が1月19日、「セクシャルハラスメント対抗ガイドライン」を発表した。ハリウッドでの相次ぐセクハラ問題の告発などを受け、映画の制作現場で働くプロデューサーや俳優、スタッフに向けたもの。
この新しいガイドラインを遵守して最初に作られる映画が「ワンダーウーマン2」(2019年12月公開予定)になると、FORTUNEなど複数のメディアが報じた。
「ワンダーウーマン2」は、全世界で興行収入で8億ドル(約876億円)以上をあげた大ヒット映画「ワンダーウーマン」の続編。自分の能力を存分に発揮させて輝く様子を描いた女性が主人公のヒーロー映画だ。
■新しいガイドライン、どんな内容?
「セクハラ対抗ガイドライン(ANTI-SEXUAL HARASSMENT GUIDELINES)」と題して発表された文書には、プロデューサーや俳優、スタッフに向けて、セクハラ被害の告発手順や、セクハラ防止トレーニングの実践方法、被害者や目撃者の行動指針などが記された。
このガイドラインは、あくまで「目指すべき最良の基準(ベストプラクティス)」であり、遵守は義務ではないが、映画業界の関係者が仕事現場でも外でもセクハラを認識し変えていく指針としてほしいという。
同団体の代表者は、以下のようなコメントを寄せた。
この社会は変革期を迎えています。職場やその外においてもどんな行動を取るべきか、改めて考え直す時期にきています。
プロデューサーは、現場の中でも外でも権威を持っています。だから、メンバーがお互いを尊重しあうことで成り立つ職場環境を作りあげ、育てていくための、重要なリーダーシップを発揮することができます。
■相次ぐ映画関係者のセクハラに...。
同団体は、昨年10月に明るみに出た大物プロデューサー・ワインスタイン氏、及びその後次々と判明した映画関係者のセクハラ騒動に対応するために、専門チームを作って新しいガイドラインを作成してきた。
今回、新ガイドラインを沿って制作される最初の映画「ワンダー・ウーマン2」でプロデューサーを務めたブレット・ラトナー氏も、複数の女優らからセクハラの被害を訴えられていた。
前作と最新作で主演を務めるガル・ガドットは、ラトナー氏を制作スタッフから外すよう強く主張して、彼をチームから"追放"した。
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女性の自立と強さを重んじる作品として、世界中から絶賛された「ワンダーウーマン」。2作目はさらにパワーアップし、女性を勇気付ける作品となるかもしれない。