1月8日(日本時間)に開催が迫った、第75回ゴールデングローブ賞授賞式。アメリカ国内の優れた映画やテレビドラマが表彰されます。
今年も『テレビドラマ』部門では、NetflixやHuluなどのインターネット配信サービスのオリジナルドラマが数多くノミネートされています。
『ストレンジャー・シングス』(配信:Netflix)
公開日まで世界中でカウントダウンが行われた『ストレンジャー・シングス』シーズン2は、期待を裏切らない濃密な9話でした。
「この瞬間を...待っていた...!」と拳を突き上げた方も多いはず。
超能力少女エルを演じるミリー・ボビー・ブラウン(写真中央)の活躍は止まることを知らず、来年公開予定の映画『ゴジラ: キング・オブ・モンスターズ』でも主演を担います。
エルを取り囲む少年たちのキャラもよりパワーアップしていますし、女優ウィノナ・ライダーの名演技(と、変わらないキュートさ)も健在です。
本作を製作したダファー兄弟は、大のオタクで日本アニメも好んで見るのだとか。
脚本を担当したマットは、本作執筆にあたり、世界的な人気を博す日本アニメ『AKIRA』(大友克洋)と、同じく日本アニメの『エルフェンリート』から影響を受けたと語っています。
『ザ・クラウン』(配信:Netflix)
エリザベス女王の生涯を描いたNetflixオリジナルドラマ『ザ・クラウン』は、昨年の同賞を受賞し、主演のクレア・フォイ(写真右)も女優賞を受賞しました。
12月に公開されたシーズン2は1950~60年代を舞台とし、スエズ動乱やプロヒューモ事件、ケネディ夫妻の訪英など、激動の時代を描いています。
本作の制作費は、なんと、2シーズンで100億ポンド(日本円にして約130億円)を超えます。
撮影場所であるランカスターハウスの使用料や、豪華衣装の制作費を含めば妥当な金額かもしれません。
潤沢な資金が投入された衣装のデザインを担当するのは、敏腕デザイナーのミシェル・クランプトン。
彼女は長らく『ゲーム・オブ・スローンズ』の衣装担当でしたが、『ザ・クラウン』制作にあたりヘッドハンティングされたのでした。
(そのため『ゲーム・オブ・スローンズ』の衣装担当をシーズン5で降板しています)
『ハンドメイド・テール 侍女の物語』(配信:Hulu)
ドラマ界のアカデミー賞とも呼ばれるエミー賞。'17年の授賞式を沸かせたのは、本作『ハンドメイド・テール 侍女の物語』の圧倒的な存在感でした。
最多22部門にノミネートされた『ウエストワールド』を抑え、作品賞や監督賞を受賞。主演のエリザベス・モスも主演女優賞を受賞し、前評判から一転、主要5部門を制しました。
物語の舞台は、全体主義を掲げる近未来アメリカ。女性は名前も尊厳も奪われ、男性の所有物と化し、子供を産むだけの存在となります。
原作小説『侍女の物語』は、1985年に執筆されたとは思えないほど前衛的な内容で、現代社会でも十分に通用する風刺と、決して古びないディストピア的世界観が描かれています。
オリジナル作品で勢いを見せるNetflixに対し、Huluも本作で賞レースに風穴を開けようとしているのがうかがえます。
エミー賞に続き、ゴールデングローブ賞でも作品賞獲得となるでしょうか!?
『ゲーム・オブ・スローンズ 第7章:氷と炎の歌』(放送:HBO)
賞レース常連の"ゲースロ"こと『ゲーム・オブ・スローンズ』が、4年連続でテレビドラマ部門作品賞にノミネート。
世界中で旋風を巻き起こす超大作も、2019年放送予定の第8章が最終章となると発表されました。
第7章ではクライマックスに向けこれまでの苦難と伏線の回収が始まり、毎話が怒涛の盛り上がりとなっています。
「どんなに辛くて苦しくても、ここまで見てきてよかったッ...!」と視聴者にカタルシスを抱かせた第7章で、初のゴールデングローブ賞作品賞受賞となるでしょうか。
アメリカの大人気ケーブルテレビHBO制作の『ゲーム・オブ・スローンズ』最新第7章、日本ではスターチャンネルでの放送は終了。Amazonプライム・ビデオがレンタルを開始したほか、Huluが近日配信開始予定です。
『THIS IS US ~36歳、これから』(放送:NBC)
本作『THIS IS US ~36歳、これから』は、アメリカ大手三大テレビ局のひとつ、NBC制作の大ヒットファミリードラマです。
NBCといえば『ブラックリスト』や『シカゴシリーズ』が有名ですが、昨今の賞レースへのノミネートでいうと、ケーブルテレビや配信系に押され気味だったのも事実。そんななかで本作は多くの賞にその名を連ねています。
なんと言っても、第一話が完璧!
三つ子の出産を控えた夫妻、肥満に悩む女性、人生を疑問視し始めた役者、そして生き別れた父を探す男ーーー彼ら5人の人生の、ある一日を切り取った物語が、"心温まる叙述トリック"とともに紡がれていきます。
これぞ、「物語のちから」。ドラマ史上に残る第一話かもしれません。
Netflix? Hulu? それとも...??
ネット配信やケーブルテレビのドラマがゴールデングローブ賞やエミー賞の常連となり、ノミネート作の大半を占めるのも当たり前の風景となってきました。そんななかで大手テレビ局は新しい家族のかたちを描き、賞レースに食い込みます。
第75回ゴールデングローブ賞授賞式は、日本時間1月8日10時より、ケーブルテレビ有料放送チャンネル「AXN」にて生中継予定。
三連休の最終日、お祭り気分を味わいましょう。