日本相撲協会は1月5日、立行司の式守伊之助(58)が、2017年末に巡業先で酒に酔って若手行司にキスをするなどのセクハラ行為をしたと発表した。NHKニュースなどが報じた。
相撲協会によると、式守伊之助は12月16日に沖縄県宜野湾市で行われた巡業後の食事中に泥酔し、宿舎の部屋まで送ってもらった10代の若手行司に数回キスし、胸部を1回触った。セクハラ行為を知った他の行司の報告を受け、同協会の危機管理委員会が関係者に事情を聞いたところ、事実だと確認した。
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日刊スポーツによると、式守伊之助は「泥酔していたので覚えていない」「自分は男色の趣味はないので、なぜこのような行為をしたのか分からない」などと述べているという。
若手行司はショックを受けており、式守伊之助に謝罪を要求したが、処罰を求める意向や警察に被害届を出す考えはないという。式守伊之助はすでに謝罪したが、立行司の非違行為に該当することから、相撲協会は臨時理事会を開き懲戒処分を検討する方針。
式守伊之助は、江戸時代から250年受け継がれてきた行司の名跡で、現在の伊之助は40代目。2013年の九州場所から襲名し、横綱や大関の取り組みをさばいている。
行司の最高位である木村庄之助が不在のため、現在は式守伊之助がトップを務めている。
2017年11月16日に放送されたNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀 大相撲裏方スペシャル』にも出演した。常に譲り受けた短刀を腰に差しており、軍配差し違えがあれば「切腹覚悟」という重責と向き合う苦悩を語っていた。
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しかし、2015年の九州場所では横綱の取り組みで2回軍配差し違えをし、相撲協会から3日間の出場停止処分を受けた。