岩手日報社は12月6日、同社の女性記者が岩手県岩泉町の伊達勝身町長(74)からわいせつ行為を受けたと発表した。同日付の紙面で告発し、ハフポスト日本版の取材に答えた。
同社によると、伊達町長は10月中旬早朝、町内に宿泊していた女性記者の元を訪ね、部屋に入ると抱きついて無理やりキスをした。
伊達町長は同社に対して、抱きついたことは認めているが、キスについては否定。「幻覚、幻聴があって助けに行くつもりで部屋に行った。わいせつ目的ではなかった」と話しているという。
同社は伊達町長に対して厳重抗議し、謝罪を求めている。
松本利巧総務局長は、ハフポスト日本版の取材に対して、告発の経緯を次のように説明した。
「問題の性質を考慮して慎重に対応してきたが、岩泉町内などで一部事実と異なる文書が出回り、さまざまな憶測も出始めていることから報道に踏み切った。今後も誠実な対応を求める」
伊達氏は1999年の町長選で初当選し、現在5期目。町内で20人以上が犠牲となった2016年8月の台風10号の豪雨の対応で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負ったとして、10月30日から12月4日まで休職していた。
岩泉町は、ハフポスト日本版の取材に対して「事実を確認中」と話しており、伊達町長本人が午後に記者会見して経緯を説明する。
【UPDATE】(2017/12/06/18:30)
伊達町長は6日午後に記者会見し、わいせつ行為をしたとされる疑惑について説明した。抱きついたことは認めた上で、無理やりキスをしたのかについては名言を避けた。
共同ニュースによると、主な発言は以下の通り
・宿泊先を訪れた理由
「わいせつ目的で会いに行ったのではない。幻聴・幻覚によって飛び込んでいった」
・キスをしたのか
「記憶にない」
・進退について
「辞職も含めて考えていく」「町は昨年の台風10号からの復興途中で(進退について)関係者と協議している」
・女性記者への謝罪
「記者に対する迷惑行為に対し、心から謝罪する」