「2017 ユーキャン新語・流行語大賞」が12月1日、発表された。「インスタ映え」と「忖度」の二つの言葉が年間大賞に選ばれた。一方、11月に発表された候補30語に入った「ちーがーうーだーろー!」「ワンオペ育児」「働き方改革」「けものフレンズ」などは、ベストテンには入らなかった。
ベストテンは次の通り。カギカッコ内は語句の説明。(同賞サイトから)
インスタ映え(年間大賞)
「テキストよりも大事なのは画像。SNSでの『いいね!』を獲得するために、誰もがビジュアルを競い合う。インスタグラムの投稿者だけでなく、ケータイで写メを撮る行為に『インスタ映え』という意識が浸透した」How to Approve and Return Posts
忖度(年間大賞)
「今年は、マスコミから日常会話に至るまでのあらゆる場面でこの言葉の登場機会が増えた。きっかけは3月、『直接の口利きはなかったが、忖度があったと思う』という籠池泰典氏の発言。ネット辞書の検索ランキング(goo辞書)では4カ月間、この言葉が1位を独走したという」
35億
「世界の人口の半分、その半分35億が男ってことでしょ!そんな決めゼリフで茶の間を沸かせたのが、女性芸人の『ブルゾンちえみ』。『35億』という、この異様なほどポジティブな思考が2017年の日本人を大きく勇気づけたことは想像に難くない」
Jアラート
「今年6月、北朝鮮の弾道ミサイル発射からの避難方法を紹介する政府広報CMが始まった。『ミサイルが日本に落下する恐れがある場合、Jアラート(全国瞬時警報システム)を通じて屋外スピーカー等から国民保護サイレンと緊急情報が流れます』。Jアラートが鳴ったら日本シリーズも中断だー、とこの新語は瞬く間に普及した」
睡眠負債
「日本人の約4割が睡眠時間が6時間未満で、これは睡眠不足どころか『睡眠負債』に陥っている。この指摘には多くの国民が目を覚まされた。わずかな睡眠不足でも、常態化すれば不足分が負債のように膨れ上がり、うつ病やがん、認知症などの深刻な病気につながる恐れがあるという」
ひふみん
「プロ入り当時は史上最年少の14歳7カ月、『神武以来の天才』とも呼ばれた加藤一二三九段が6月20日に引退。その愛らしいキャラクターが受けて、バラエティ番組で人気者に。藤井聡太四段のデビュー戦の対局相手でもあり、それは新旧天才による歴史的対決でもあった」
フェイクニュース
「ネット上でいかにもニュース然として流布される嘘やでっち上げ。2016年のアメリカ大統領選挙では「ローマ法王がトランプ候補の支持を表明」「クリントン候補がテロ組織に資金を渡した」など、いかにも報道サイトっぽい雰囲気のウェブサイトに掲載され、それがあたかも事実のように拡散した」
プレミアムフライデー
「政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーンで、月末の金曜日に早めの退社を促すもの。略称は『プレ金』。キャンペーンの効果はほとんど得られず、連呼されたこの言葉だけが空しく広まった」
魔の2回生
「務台俊介内閣府政務官、中川俊直議員、豊田真由子議員、武藤貴也議員、宮崎謙介議員・・・暴言、不倫、重婚・・・、当選2回の『安倍チルドレン』たちの不祥事が続発した。それは政権の支持率急落という「魔」の事態を招いたのであった」
〇〇ファースト
「まずは、アメリカのトランプ大統領が、選挙の段階からしきりに繰り返していた『アメリカ・ファースト』というフレーズ。日本では、小池百合子都知事による『都民ファースト』が続き、最近では『自分ファースト』な人たちがやり玉にあげられている」
ほかに、「9.98」(東洋大学の桐生祥秀さんが実現した、陸上男子100メートル初の9秒台の記録) と「29連勝」(将棋棋士の藤井聡太さんの公式戦連勝新記録)が審査員特別賞を受賞した。