民進の枝野幸男氏、新党「立憲民主党」を結成

「希望の党は理念や政策が私たちと異なる」
記者会見で新党結成を表明する民進党の枝野幸男代表代行=10月2日午後、東京都千代田区
記者会見で新党結成を表明する民進党の枝野幸男代表代行=10月2日午後、東京都千代田区
時事通信社

民進党の枝野幸男代表代行は10月2日、東京都内で記者会見し、新党「立憲民主党」を設立することを表明した。民進党は事実上解党し、小池百合子・東京都知事率いる新党「希望の党」との合流を模索しているが、枝野氏は「希望の党の理念や政策は、私たちの目指すものとは異なる」と新党結成の理由を語った。

民進党に所属する議員の政治姿勢は、保守からリベラルまで幅広い。保守政党である希望の党の小池氏が9月29日、考え方が違う民進議員について公認の対象から「排除する」と表明。枝野氏らリベラル系民進議員の去就が注目されていた。

枝野氏は民進党を離党することを前原誠司代表に口頭で伝えたという。3日にも新党の届け出をする予定。

立憲民主党は今のところ枝野氏1人だが、賛同する政治家が複数人おり、数日以内には主要メンバーや党幹部などの人事についても決まる見通し。

党名について、枝野氏は「国民生活を守る上で大事にしなければならないのは立憲主義。権力というのは何でもできるものではない。民主主義というのは単純な多数決ではなく、話し合うことが大切。だからこの二つの言葉をつなげた」と由来を明かした。

新党の理念や政策について、枝野氏は「民主党、民進党で積み重ねてきたものをよりクリアに伝える政党になりたい」と指摘し、民進党時代の内容を継承する方針。また、「おかしな政権、政治運営、国民生活にマイナスなことについて戦う集団でありたい」と、安倍政権との対決姿勢を鮮明にした。

特に、消費増税については、「将来的な負担は堂々と訴えるべきだが、今の経済状況で増税するのは国民の理解が得られない」と指摘。原発政策については、「1日も早くゼロを実現したい」と訴えた。一方、憲法改正については、「安倍さんがおっしゃっている自衛隊の「加憲論」は、安保法制にある違憲部分を追認することになり、許されるものではない」と語った。

支援組織について枝野氏は、「これまで連合の皆さんと様々に連携しながら作ってきた理念や政策であり、ご理解いただけると思う」と述べ、民進党の最大の後ろ盾である連合の支援を受けられる見通しを明かした。

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