世界最大の写真画像代理店、Getty(ゲッティ)社が、モデルの体型についてPhotoshopなどで修正加工すること禁止した。ハフポストUS版などが報じた。
Gettyは9月末、撮影・編集した写真の提供者に一通のメールを送った。USAトゥデイによると、「みなさんに、体型を修正したモデルの画像を提供しないよう求めます」と書かれていたという。10月1日から運用開始するという。
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■きっかけは、フランスの新法律
Gettyの規約は、モデルのデジタル写真にフランス語または英語で「レタッチフォト」(加工写真)表記が必要になった、フランスの新しい法律に対応した、と同社はハフポストUS版にコメントした。
フランスは5月、極端に痩せているモデルの活動を禁止する法律が施行された。モデルたちの健康問題を引き起こすだけではなく、若者に現実離れしたボディイメージを植え付けたり、無理な食生活で摂食障害の引き金になる可能性があるためだ。
こうした動きを受けて、パリに本社を置く、グッチなどを抱える「ケリング」と、ルイ・ヴィトンなどを抱える「LVMH」は9月、モデルたちの心と体の健康を守るために、痩せすぎモデルの起用を禁止すると共同の憲章で表明した。
■Gettyの声明「固定観念と戦う」
Gettyは声明で、こう宣言している。
「何ができるのか、という人々の認識は、多くの場合、自分たちが見るもので形作られています。ポジティブな画像は、固定観念と戦い、寛大さを生み出し、そして(一人ひとりが)社会の一員と感じるコミュニティに力を与えます」
「画像が、最も広く伝わる世界の共通言語である今、進歩的で包括的なビジュアル言語を生み出していくことが何より重要です」
Gettyの新ルールでは、写真の提供者は、今後も髪の色や鼻の形、皮膚やシミなどは修正できるという。
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■写真加工、セレブも抗議の声をあげてきた
写真の加工は、ファッション業界とエンターテインメント業界では大きな問題となっている。これまでにも歌手のビヨンセや俳優のキーラ・ナイトレイらが、細すぎるウエストのサイズや、修正後の大きな胸などに抗議してきた。
女優で歌手のゼンデイヤが2015年に公表した有名な写真がある。彼女は、胴やウエスト、太ももを明らかに細く修正されていた。
■加工なしで成功しているアパレル企業も
研究者は、デジタルで修正加工された写真は、とくに若い女性の間に、不健康なボディイメージを植えつけると認めている。しかし実際に、加工写真を除いたとしても、ビジネスに損害があるわけではない。アパレルブランドの「アメリカンイーグル」は、自社ブランド「Aerie」で修正加工なしの広告写真を展開してから、一年間の売上が20%上がったという。
Gettyは、100カ国でビジネスを展開している。同社の広報担当者によると、すでにあるアーカイブ画像はそのまま残るという。
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
女性のカラダはデリケートで、一人ひとりがみんな違う。だからこそ、その声を形にしたい。そして、みんなが話しやすい空気や会話できる場所を創っていきたいと思っています。