日の光が届かぬ暗黒の世界「深海」。どれだけ深いところまで、魚は生きているのだろうか。
8月24日、世界で最も深い場所で撮影された魚類の映像が発表された。マリアナ海溝の水深8178メートル。海洋研究開発機構(JAMSTEC)とNHKが共同で設置した観測装置が、白い魚がゆっくりと泳ぐ姿を鮮明に捉えていた。
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4月には中国科学院が、マリアナ海溝の水深8152メートルで魚の映像を撮影したと発表していたが、今回の映像は26メートル上回った。魚類の生息限界は水深8200メートルという仮説があるため、ギリギリの深さだと言える。
JAMSTECの発表によると、水深8178メートルの海底で最初に現れた生物はヨコエビの仲間で、サバの身に群がり数時間で食べつくした。その後、着底から17時間37分後の映像に1匹の「マリアナスネイルフィッシュ」が泳ぐ姿が撮影されたという。
■マリアナスネイルフィッシュとは?
マリアナスネイルフィッシュは、NHKニュースによると、シンカイクサウオの仲間で、体長は約20センチ。全体に白く半透明。大きな頭とウナギのような細長い尾びれが特徴だ。イギリスとアメリカの共同研究のグループが2014年に、マリアナ海溝を調査した時に報告。正式な学名もまだついていない。
今回の撮影の模様は、27日午後9時からの「 超深海 地球最深(フルデプス)への挑戦」(NHK総合)で放送する。東京・上野の国立科学博物館で開催中の特別展「深海2017」でも28日から映像を公開するという。
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