死んだら、私のFacebookってどうなるの?「追悼アカウント」があるらしい

私が死んだら、私のFacebookアカウントはどうなる?Facebookがブログで、現状の対応策や提言を綴った。
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私が死んだら、私のFacebookアカウントってどうなるの…?

大切な夫が亡くなってしまったら、彼はFacebookの中だけで生き続けてしまうの…?

今日、私たちはインターネットの世界で色々なSNSアカウントを持っている。そして、それらのバーチャルな「人格」は、自分の肉体が消失したとしても自動的に消滅するものではない。

特に、原則「実名制」とされ、会社やプライベートでの知人・友人とつながり、自分の「分身」のようになっているFacebookアカウントが死後にどうなるかについては、これまでも色々な議論を呼んできた。

8月18日、Facebookがこの問題に関して考えを表明した。

困難な問題(Hard Questions):オンライン上のアイデンティティは人の死後どうあるべきか」と題されたブログで、このトピックに関して、Facebookがどのように取り組んできたかを改めて説明した。

ブログを書いたのは、Facebookのモニカ・ビッカーズ氏だ。

ビッカーズ氏は、自身の夫を失った悲しみを語りながら、Facebookで故人のアカウントを扱う繊細さについて丁寧に書いた。

私は夫の死去後も、彼の携帯電話にメールを送り続けていました。

愛する人を失ったとき、人々はどんな方法であっても、彼らとつながっていたいと感じるものです。そのようなとき、携帯電話、インターネット、ソーシャルメディアは、そうした機会を与える場所になることがあります。私がしたように、愛する人と話すこともできますし、思い出と向き合う準備ができたなら、古いメールや写真、動画や投稿などを夢中で見ることもできます。20年前には想像できなかったほど簡単に、私たちは愛する人の死後も彼らの声を聞き、姿を見ることができます。また、同様に悲しんでいる人々と思い出を分かち合うこともできるのです。

死の状況によっては、これらのオンライン上の機能は精神的に辛いものになることがあります。家庭内暴力で娘を亡くした母親は、娘の結婚式の日の写真を見れば、辛い思いをするでしょう。ルームメイトが自殺してしまった大学生が、ルームメイトの誕生日のお知らせを受け取れば、ルームメイトが生きていれば受け取るはずだった愛情表現やサポートについて考え、さらに悲しみが深まるかもしれません。

ブログでは、Facebookがこの「答えのない問い」に対してどのような対策を講じてきたかについても説明された。

実際、私たちの死後、Facebookアカウントはどうなるのだろうか。どのような準備ができるのだろうか。

家族や、故人が生前に指定していた第三者に限り、Facebookに故人が亡くなったことを申告できる

亡くなった人のアカウントについては、「追悼アカウント」と呼ばれる、死後もその人の思い出を家族や友人がシェアすることができる状態に変更するか、削除するかのいずれかを選択できる。

自分が死んだ後に、自分のアカウントを削除したい場合には、アカウント情報から事前に設定しておくことができる。

また、追悼アカウントとして残したい場合には、自分が死んだ後にアカウントを管理してくれる「追悼アカウント管理人」を、いつでも登録しておくことができる。

追悼アカウント管理人になったとしても、アカウントはあくまで故人のものであるという観点から、「アカウントへのログイン」「過去投稿の編集や削除」「メッセージを読む」など操作はできないようになっている。

ブログを書いたビッカーズ氏は以下の言葉でブログを締めくくっている。

故人の希望を完全に理解し、それに矛盾することなく行動したとしても、私たちができることは限られている ことは理解しています。(中略)

夫が亡くなってから1年近くたっても、携帯電話で古い写真を見るたびに息をのむことがあります。(中略)

しかし、父の日に庭で夫が娘達と誇らしげに立っている写真などを見ると、思わず微笑んでしまいます。こうした幸せの瞬間は、愛する人を思い出させるものは必ずしも、失った悲しみを思い起こさせるものではないのだと教えてくれます。そして、ソーシャルメディアやオンラインの世界は、痛みを呼び起こすだけではなく、悲しみを癒やす希望を与えてくれる可能性もあるのです。

この「死後のアカウント」についての問題は、Facebookが6月15日に発表した7つの「困難な問題」の一つだ。

世界で20億人以上のユーザーに利用されているFacebook。インターネット上の最適なプライバシー保護とはどういったものだろうか、あるいは将来のジャーナリズムのあるべき姿とは、といったこれまで経験のない大きな問題に直面している、とユーザーに訴えた。

具体的に以下の7つのトピックを挙げて、これらを皮切りにして世界規模の議論を続けたい、と主張した。

1. テロリストのプロパガンダがネット上で拡がっていくのを防ぐのにプラットフォームはどうすべきか

2. オンライン上のアイデンティティは人の死後どうあるべきか

3. ソーシャルメディアの会社は、物議をかもす投稿や写真をどの程度、監視し削除すべきか。複雑な文化的背景を持ったこのグローバル社会において、誰が、「物議をかもす」の定義をすべきか

4. 間違ったニュースと、単なる物議をかもす政治的発言の境界を誰が見極め、定義するのか

5. ソーシャルメディアは民主主義にとって良いものか

6. 利用者の信頼を損なうことなく、ユーザーの利益のためにどのようにユーザーデータを使うことができるのか

7. 若年層のインターネット利用者が、安全に自分自身をネット上で表現する方法を誰がどう教えるべきなのか

Facebookは、2016年11月のアメリカ大統領選のトランプ当選の際に、デマのニュースや虚偽情報が出回る温床となったとしてを批判にさらされた。「プラットフォーマーとしての責任」もまた、「未知なる問題」の一つかもしれない。

あなたは、死んだらFacebookの中で生き続けたいですか?

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