居酒屋チェーンの「串カツ田中」が2017年11月期の第2四半期決算を発表した。売上高は前年と同じ時期と比べて37.7%増の25億円、経常利益は33.7%増の2億5千万円だった。
新規出店の影響があったほか、毎月末の金曜日の仕事を早く切り上げる「プレミアムフライデー」のお客さんを狙った戦略がヒットし、月末金曜日のお店の売り上げが前の週と比べて20%アップしたという。
プレミアムフライデーは2月に始まった。政府や経団連が音頭をとり、月末の金曜日は午後3時ごろ帰るよう呼びかけた。
早めに仕事を切り上げて、買い物や飲食を楽しんでもらう「経済政策」であるほか、残業を減らす「働きかた改革」の狙いもある。一方、「早く帰っても仕事量が減らない」などという声も聞かれる。
串カツ田中のプレミアムフライデーのキャンペーン
串カツ田中は、前倒しして1月に「フライングフライデー」を始めた。月末金曜日は、ほぼ全店の約150店で、午後3時にオープンしている。普通の日に午後5時にオープンする店は2時間ほど早く空け、ランチで閉まる店は営業時間を延ばしているという。
午後6時までに来店したお客さんを対象に、串カツを全品100円にしたり、目玉の「プレミアムチンチロリンハイボール」がさいころの目によって無料になるなど、様々なキャンペーンも行っている。
串カツ田中の広報担当者は「盛り上がってきて、会社も明るい。串カツ田中の認知度アップにもなりましたし、SNS上でも少しずつ『プレミアムフライデーと言えば、串カツ田中』と思っていただいているのではないでしょうか」と話した。
串カツ田中は、つくね、ウインナー、レンコンなど串カツが安く食べられるチェーン店。客単価が2300円-2400円程度で、「気軽に立ち寄れる店」として人気を集めている。
「串カツ田中1号店」は2008年12月、東京都世田谷区でオープンした。広報担当者によると、それまで大阪で飲食店を経営していた現社長の貫啓二氏と、その店に当時アルバイトをしていた副社長の田中洋江氏の出会いが始まり。
2人はビジネスパートナーとして、東京都・港区で京料理屋を経営していたが、リーマン・ショックなどで業績が悪化。大阪に帰ろうとしていたところ、チラシの裏側に書かれていた、田中副社長のお父さんの「串カツのレシピ」が田中さんの家の中で見つかった。「ずっと食べたい思い出の味」だったといい、それを再現したところ、お客さんの評判を呼んだという。
串カツ田中は、2017年5月に150店舗の出店を達成。企業理念は「串カツ田中の串カツで、一人でも多くの笑顔を生むことにより、社会貢献する」。目標は1000店舗。