学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり、安倍晋三首相は加計学園の計画を知った時期について、5月と6月に国会で答弁した内容に誤りがあったことを認め、「訂正してお詫びしたい」と述べた。知った時期は正しくは「1月20日」としている。
参院予算委の閉会中審査で7月25日、小池晃議員(共産)の質疑に対して答えた。
安倍首相は前日24日の衆院予算委で、加計学園の計画について「(今年)1月20日に初めて知った」と説明。これに対して小池氏は、過去の3つの国会答弁を例に挙げ、この発言と矛盾することを指摘した。
▽衆院予算委員会(5月8日)、民進・宮崎岳志議員
・答弁:構造改革特区については、加計学園が候補として記載されているので、知りうる立場にあった
▽参院予算委員会(5月9日)、自由・森ゆうこ議員
・質問:加計孝太郎氏が今治市で、国家戦略特区により獣医学部新設の希望を持っていることを知っていましたか
・答弁:この加計学園が当然特区に申請を今治市が出しますから、国家戦略特区に申請した段階で当局から説明を受けますから、その段階で当然総理大臣として知り得た
▽決算委員会(6月5日)、民進・平山佐知子議員
・質問:大親友である加計さんがずっと獣医学部が作りたいという思いがあったことは当然ながらご存知でしたよね
・答弁:安倍政権になりましてから、国家戦略特区にその申請を今治市と共に出された段階で承知したわけであります
(※質問、答弁ともに小池氏が読み上げた内容)
今治市は2015年6月に国家戦略特区で獣医学部新設を提案し、加計学園が今年1月10日、特区での獣医学部新設に応募した。小池氏は過去の答弁やこうした経緯を踏まえて、「つまり今年の1月20日どころか、2年前の6月に知っていたとことじゃないですか。明らかに虚偽答弁だ」と指摘した。
これに対して安倍首相は「加計学園と今治市と、構造改革特区と国家戦略特区の2つがあるので、多少そのところは混乱して答弁した」と誤りを認めた上で、「そこはお詫びして訂正したい」と述べた。
そして、改めて「(加計学園が)申請を今治市とともに決定する段階で、国家戦略特区会議の議長として、加計学園の計画について承知した。訂正させていただいきたい」と強調し、計画は1月20日まで知らなかったと繰り返した。