インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は7月21日、警察官に対して麻薬密輸の容疑者が身柄拘束の際に抵抗した場合は「躊躇なく発砲し射殺せよ」との指示を出した。フィリピンにおける麻薬取締の強化に影響を受けたものとみられる。ロイター通信などが報じた。
人権団体のアムネスティは「国際法及び国際基準は、死刑の使用は『最も重大な犯罪』あるいは故殺に限定されると、義務付けている」などと、インドネシアを批判しているが、ジョコ大統領は薬物犯罪に厳罰が必要との姿勢を貫いており、外国人の違法薬物密売人には、特に厳しく当たるべきだとしている。
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インドネシアの国家麻薬委員会(BNN)の長官は20日、フィリピンのドゥテルテ大統領による強硬な取り締まりが、インドネシアに影響していると述べた。ドゥテルテ大統領の「超法規的殺人も辞さない」という凄惨な取り締まりにより、麻薬ディーラーは新たな市場を探している。その標的がインドネシアなのだという。
国家警察のカルナフィアン長官は22日、「麻薬ディーラーたちは、シンガポール、マレーシア、フィリピンに比べてインドネシアのほうが、薬物関連犯罪に対する刑罰が軽いと考えている」と説明。フィリピン流の取り締まり強化は、効果的な方法だとの考えを示した。
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