海外旅行でテロに遭遇したら?命を守る3つの方法を、イギリスのテロ対策警察が教えてくれた

RUN(走れ)、HIDE(隠れろ)、TELL(通報せよ)の3つのキーワードで、命を守る具体的な方法を解説している。
Counter Terrorism Police UK

夏の休暇シーズンを前に、イギリスのテロ対策警察は、7月10日、もしも海外旅行先でテロに遭遇したらどうすべきかを指南する動画をネット上に公開した。RUN(走れ)、HIDE(隠れろ)、TELL(通報せよ)の3つのキーワードで、命を守る具体的な方法を解説している。

ビデオでは、あなたが高級ホテルのプールサイドでくつろいでいる際にテロ事件が発生する。銃を携えた集団が観光客やホテルのスタッフを襲撃し始めた場合、どうするべきか。動画では以下のように、あなたが取るべき行動が説明されている。

もしも、周囲で銃声が聞こえたら?⇒RUN(走れ)

周囲を良く見回し、最も安全な方法を考えること。もしも、安全な逃げ道があれば、走って逃げること。迅速な行動が命を守る。

荷物はその場に置いておくこと。そして、周囲の人々に一緒に来るように呼びかけること。彼らの戸惑いで、迅速な動きを止めないように。

一度ルートを見つけたからって、必ずしも安全とは限らないので、ルート変更も念頭に置くこと。

もしも、逃げ道を塞がれたら?⇒HIDE(隠れろ)

もしも逃げ道が全く無い場合、次にすべきは隠れることだ。

銃の脅威から逃れる最善の隠れ家は、テロリストの侵入を物理的に妨げるものがある場所だ。鍵のかけられる部屋に閉じこもり、ドアから離れること。

可能であれば、ベッドのマットレスなどでバリケードを作り、ドアを封鎖すること。携帯電話が鳴らないように、音声やバイブレーション機能を切ること。可能な限り静かにしていること。決して大声で叫んだりして居場所を知らせてはいけない。

もしも、逃げることができたら?⇒TELL(通報せよ)

あなたが完全に安全を確保できたら、警察に電話を。どこでテロ攻撃があったのか、あなたはどこにいるのか、何人の襲撃者を見たのかを、明確に伝えて。

警察が駆けつけた場合も、慎重に

そしてさらに、駆けつけた警察官が隠れているあなたを見つけた際にも、注意してほしいと呼びかけている。

警察は、襲撃者とそれ以外の人物を瞬時に見分けることが不可能だからだ。現場に救助に向かった警察官に出会った際には、手に何も持っていないことがわかるように頭の上に掲げ、叫んだり、急な動きをしたりせず、おちついて指示に従うように、と呼びかけている。

高級ホテルが襲われるテロ事件は、実際に発生している。2015年6月にチュニジアのホテルが襲撃された事件では観光客ら38人が殺害された。

イギリスでは、5月のアリアナ・グランデのコンサート会場で発生したテロ事件で22人が死亡、6月にロンドン橋付近で車が歩行者に突っ込む事件では、7人が死亡するなど、テロ事件が相次いでいる。

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