気象庁は7月5日午後5時52分、福岡県に大雨特別警報を出した。これまでに経験したことのないような大雨となっており、ただちに命を守る行動を取る必要がある。
九州北部では猛烈な雨が続くおそれがあり、気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに最大級の警戒をするよう呼びかけている。
■特別警報とは?
特別警報のポイントは4つ。
- 数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況のときに発表される
- 「特別警報」は災害の種類ごとに発表される。大雨・暴風・高潮・波浪・大雪・暴風雪・地震・津波・噴火が対象。ただし、「洪水」を対象とした特別警報はない。
- 大雨などで特別警報が出される基準は、地域によって違う
- 発表されたら、ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、適切な行動を取る
気象庁公式サイトより。クリックすると大きい画像が開きます
気象庁によると、発表基準は次の通り。
気象庁公式サイトより
特別警報は、100人近い犠牲者が出た2011年の台風12号で大雨警報が十分な避難を促すことにつながらなかった反省を踏まえ、2013年8月に導入された。都道府県が市町村に、市町村が住民に危険を伝えることが義務づけられるのも、注意報・警報が出た場合と異なる点だ。
ただし、気象庁は「特別警報が発表されないからといって安心は禁物。大雨などにおいては、時間を追って段階的に発表される気象情報、注意報、警報を活用し、早め早めの行動をとることが大切」と促している。
ふだん雨が少ない地域ほど、水害や土砂災害に対する住民や自治体の対策が手薄になりがちで、より少ない雨でも惨事につながりやすい。「警報」や「勧告・指示」が発表された段階からの、早めの行動が大切だ。
■「特別警報」が発表されたら?
特別警報が発表されたら、ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、適切な行動をとる必要がある。
政府広報オンラインは、次のように説明している。
まずは決して慌てずに周囲の状況に注意し、お住まいの市町村から避難勧告などが発令されている場合には、ただちに従ってください。避難しようとしたときに、大雨や暴風のために屋外を移動することがかえって命に危険を及ぼす状況となっており、やむを得ず自宅などに留まる場合には、二階などのより安全な場所に退避するなど、命を守るため、最善を尽くしてください。既に避難を完了している場合も油断しないでください。