世界一醜い犬、マーサ(JOSH EDELSON, GETTY IMAGES)
よぼよぼの犬、目が見えない犬、いぼだらけの犬、毛のない犬……。どの犬たちも、ステージで見事な“醜さ”をみせた。
この競争に勝ち残った犬だけが、「世界一醜い犬」という名誉ある称号を与えられるのだ。負けるわけにはいかない。
カリフォルニア州ペタルマで、6月23日に開かれたソノマ・マリン・フェスティバルの「世界一醜い犬コンテスト」。熾烈な競争を勝ち抜いて2017年チャンピオンに輝いたのは、体重125ポンド(約57キロ)のナポリタン・マスティフ、マーサだった。
一見不機嫌そうに見えるマーサの垂れ下がった顔が、審査員を魅了したのかもしれない。それに、優しい性格やのんびりした足取りも魅力的な犬だ。しかも、コンテストの途中にステージの上で昼寝をするという大物ぶりも見せた(その顔は、まるで溶けたバターのようだった)。
ニューヨークタイムズ紙によれば、審査員が優勝を告げた時も、マーサはいびきをかいてうたた寝中だった。審査員のひとりであるNBSニュースのケリー・サンダース記者が、「君、世界一醜い犬コンテストに優勝したって気が付いている?」と眠たそうな顔をしたマーサに尋ねると、マーサのハンドラー(調教師)のシェリー・ジンドラー氏がマーサに代わって「嬉しいんですけれど、今は昼寝をしたいんです」と答えたという。
昼寝するマーサの横で、優勝を喜ぶシェリー・ジンドラー氏。マーサは優勝金1500ドル(約16万円)とトロフィー、そしてニューヨークへの旅を手にした。(JOSH EDELSON/GETTY IMAGES)
「世界一醜い犬コンテスト」という、犬好きが聞いたら怒りそうな名前のコンテストだが、これは犬たちを馬鹿にするショーではない。主催者によれば、有名なドッグショーには出場できない犬たちも含め、全ての犬たちのユニークな美しさに光を当てるためのコンテストだ。
ソノマ・マリン・フェアを主催するエリック・ポスト氏は、「どれだけ不完全に見える犬であっても、全ての犬やペットたちは可愛くて愛嬌があり、家族の一員になれると伝えるコンテストです」と、公共ラジオNPRに語っている。
2017年に出場した犬のほとんどは、シェルターからもらわれた犬たちだ。マーサの場合、前の飼い主がマーサをコミュニティサイト「クレイグスリスト」で売ろうとしていたのを、ドッグウッド動物保護プロジェクトの創設者であるジンドラー氏がみつけ、阻止した。
マーサはほとんど世話をされず、目が見えなくなる寸前だった、とタイム誌が伝えている。何度かの手術をへて視力は少し快復し、今カリフォルニア州に住む別の家族に引き取られて伸び伸びと暮らしている。
30年の歴史がある世界一醜い犬コンテストでは、優勝したマーサ以外の犬たちも、ユニークな美しさや愛らしい表情を見せた。世界トップレベルの“醜い”犬達の写真を、ご覧あれ。
優勝した後、ぶるぶるっと水しぶきをとばすマーサ。(JOSH EDELSON/GETTY IMAGES)
飼い主に抱かれる、ブリュッセル・グリフォンとパブのミックス犬のモエ。(JOSH EDELSON VIA GETTY IMAGES)
ポーカーフェイスのチャイニーズ・クレステッド・ドッグ、チェイス。(JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES)
審査を待つ、同じくチャイニーズ・クレステッド・ドッグのジョージー。(JOSH EDELSON/GETTY IMAGES)
ミックス犬のイッキーを抱く、ジョン・アドラー氏。(JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES)
チャイニーズ・クレステッド・ドッグのラスカルと、デイン・アンドリュー氏。(JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES)
芝生の上でのんびりくつろぐマーサ。(JOSH EDELSON/GETTY IMAGES)
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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