1人暮らしの老人を命がけで火事から救った男、政府から表彰される⇒手当てが大幅減額。理由は...

火災の中から命をかけて老人を助けた男性は不法滞在者でした。

日本の厚生労働省にあたる韓国の省庁「保健福祉部」が、自身の生命を危険に晒してまで救助活動を行った人物を表彰した。しかし、表彰者のうち、1人は補償金以外の手当てを受けられなかった。

スリランカ出身の不法滞在者だからだ。

6月12日、韓国の保健福祉部は2017年度第3次義死傷者審査委員会で認定した「義死傷者」を発表した。

「義死傷者」とは「職務外の行為で危険に直面した他人の生命または身体を救うため、自身の生命と身体の危険を冒して救助行為を行い死亡・負傷した人」を意味する。義傷者には補償金と医療給与、教育費などが支援されるという。

補償金ならび医療給与は、義傷者および義死者の遺族に対して支払われる。教育費は義死者の子息、義傷者ならびにその子息の教育保護のために支払われるとのことだ。

しかし、同日「義傷者」に選ばれた2人のうちの1人は、不法滞在者という理由で補償金以外の手当てを受けられなかった。

保健福祉部」の資料によると、手当てを受け取れなかったのはスリランカ出身の38歳男性、ニマルさんだ。

ニマルさんは2月10日午後1時10分ごろ、慶尚北道軍威郡高炉面にある住宅で発生した火災を目撃した。家に入って中にいる1人暮らしのおばあさんを救助した。この過程でやけどなどを負ったという。

韓国の新聞「中央日報」によると、ニマルさんは2013年9月、韓国に入国した後、果樹園や工場などで働いた。2016年9月にビザが満了したが、本国に戻らず、不法滞在者の身となった。

保健福祉部側は「義死傷者審査委員会に出席した委員全員がニマルさんを義傷者に選ぶのに賛成した」、「法律諮問を通じて不法滞在者を選んでも問題がないという解釈を受けた」と明かした。

保健福祉部による義傷者の認定とは別に、3月、ニマルさんはLG福祉財団が授与するLG義人賞を受けた。LG義人賞は「国家と社会のために勇気ある行動をし、自身を犠牲にした義人に企業が恩返ししなければならない」という具本茂・LGグループ会長の意志により2015年から始まり、今まで39名が受賞した。

ソウル新聞」によると、当時、「LG義人賞」を通じてニマルさんは治療費を含めた賞金3000万ウォン(約292万円)を受け取った。保健福祉部からの補償金は1045万ウォン(約102万円)だ。合計すると、4045万ウォン(約394万円)受け取った計算になる。

しかし「中央日報」によると、救助中に負ったやけどにより集中治療室で3週間、治療を受けていた彼は「健康保険で処理された費用」と「不法滞在罰金1000万ウォン(約100万円)ほど」を支払わなければならない状況だ。

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。

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