入国禁止令、トランプ氏のツイート裏目に 連邦高裁がまた差し止めを支持

イスラム圏6カ国からの入国を禁止するアメリカ大統領令をめぐり、トランプ氏がまた敗北を喫した。今回の裁判の中でもトランプ氏のツイートが自身に不利に働く結果を招いた。
U.S. President Donald Trump reacts to a reporter's question during a joint news conference with Romanian President Klaus Iohannis in the Rose Garden at the White House in Washington, U.S. June 9, 2017. REUTERS/Jonathan Ernst
U.S. President Donald Trump reacts to a reporter's question during a joint news conference with Romanian President Klaus Iohannis in the Rose Garden at the White House in Washington, U.S. June 9, 2017. REUTERS/Jonathan Ernst
Jonathan Ernst / Reuters

イスラム圏6カ国の人の入国を禁止するアメリカ大統領令をめぐり、トランプ氏がまた敗北を喫した。サンフランシスコ連邦高裁は6月12日、入国禁止令の差し止めを命じたハワイ州の連邦地裁の判断を支持する立場を示し、ホワイトハウスの不服申し立てを退けた。CNNなどが報じた。

トランプ氏はこれまでも入国禁止令についてたびたびTwitterなどで発言しているが、他の裁判と同様に、今回の裁判の中でもトランプ氏のツイートが自身に不利に働く結果を招いた。

判決は、「大統領はここ最近、本質的に危険なのは、大統領令によって入国を禁じられた6カ国の1億8000万の人たちというよりは、そうした‘国々’そのものであるとする評価を認めた」と指摘。その根拠として、トランプ氏の6月5日のツイートを引用した。

「その通りだ。私たちには特定の危険な国々に対する入国禁止令が必要だ。我が国民を守るの役に立たない政治的に公正な言葉などではない」

判決はまた、トランプ氏のツイートについて「アメリカ大統領の公式声明と認識している」と述べたスパイサー報道官の発言も付け加えている。

その上で、入国禁止令は6カ国の人とその国にあるテロ組織との関連を示していないとして、「現行の手続きで彼らの入国を認めることがアメリカの利益を害すると理由について合理的な説明もされていない」と述べ、ホワイトハウス側の不服申し立てを退けた。

ハフポストUS版によると、トランプ氏の発言はこれまでの裁判でも、入国禁止令が一定程度宗教への敵意に基づいている証拠として用いられた。バージニア連邦高裁も5月25日、入国禁止令の差し止めを命じた連邦地裁の判断を支持する決定を出している。

■入国禁止令、これまでの動きは

BBCによると、トランプ氏の入国禁止令をめぐる主な動きは以下の通り

1月27日 トランプ大統領がイスラム7カ国の人の入国を禁じる大統領令に署名

2月3日 シアトル連邦地裁が、大統領令の差し止めを命じる

2月9日 連邦高裁がシアトル連邦地裁の判断を支持

3月6日 トランプ大統領が、イランを除く6カ国の人を対象にした新たな入国禁止令に署名。

3月16日 ハワイとメリーランドの連邦地裁が、新たな入国禁止令の執行停止を命じる

5月25日 連邦高裁がメリーランド連邦地裁の判断を支持

6月2日 ホワイトハウスが入国禁止令の効力を回復させるよう求め、連邦高裁へ上訴

6月12日 連邦高裁がハワイ連邦地裁の判断を支持

注目記事