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航空史上の名機として知られる飛行機DC-3が5月19日、神戸空港で披露され、地元の子どもたちを乗せて神戸、大阪の上空を飛んだ。
DC-3は、アメリカの航空機メーカー、ダグラス社(現ボーイング社)が開発、1930年代から運用が始まった双発プロペラ機だ。性能や燃費、航続距離において優れ、世界で最初の本格的な旅客機として活躍した。
アメリカのほか、ソ連や日本でもライセンス生産された。これまでに計約1万6000機が製造されたが、現存するのは150機程度とされる。
この日神戸空港で披露されたのは、名機の体験飛行などの活動に取り組む「スーパーコンステレーションフライヤーズ協会」(スイス)が所有し、スイスの時計メーカー「ブライトリング」が維持などを支援している機体だ。
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子どもたちを乗せて離陸するDC-3=5月19日、神戸空港
この機体は1940年に初めて飛行した後、アメリカン航空が使用。第2次世界大戦中はアメリカ軍が接収していた。戦後、複数の航空会社をへて同協会が入手。修復され、各地の航空ショーやイベントなどで飛行している。
3月にスイスを出発した同機は、9月まで世界各地を回って体験飛行などに使われる予定。日本ではすでに熊本で披露され、5月下旬には福島でも体験飛行がある。大地震に見舞われた3カ所で「子どもたちを励ましたい」(広報担当者)との狙いがあるという。
体験飛行には、海にちなんだ活動をしている「神戸海洋少年団」(神戸市)所属の小学生や幼稚園児計7人が参加。神戸や大阪の上空約300メートルを30分ほど飛んだ。小学5年の前田陽希(はるき)君(10)=神戸市長田区=は「大阪のドーム球場や通天閣が見えて楽しかった。エンジンがかかると振動が伝わってきてすごかった」と話した。
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DC-3に乗り込む前の子どもたち
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着陸後、走行するDC-3
フランシスコ・アグーロ機長は取材に対し、「普通の旅客機ではこれほど低空で飛ぶことはないので、大都市の大阪や神戸のビル群がはっきり見えて感動した」と述べた。機体については「古いのでメンテナンスが大変。1時間飛ばすのに100時間かけるイメージ。操縦も難しい。コンピューター制御ではないので、操縦かんも重い。パワーステアリングではなく、まるで大きなトラックを運転しているようだ」と説明した。長時間飛行できるよう機体に改修を施したが、「プロペラやエンジン、翼は元のまま。博物館に飾ってあるようなものとは違って実際に飛行できるのが素晴らしいところ」とも話した。
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取材に応じるアグーロ機長
▼ブライトリングDC-3画像集が開きます
(スライドショーが見られない方はこちらへ)
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