マクロン次期大統領夫人に「公職担わせるべきではない」フランス人の7割が抵抗感、なぜ?

「奇妙などっちつかずの状態にある。わたしたちはファーストレディを求めながらも、本当のところでは欲していないのだ」。
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「物事を明確に」「欺瞞に終止符を打つ」――フランス大統領選のずっと以前から、エマニュエル・マクロン氏は自身のカラーを打ち出していた。

エリゼ宮殿(大統領官邸)に入り次第、このフランス次期大統領は「ファーストレディあるいはファーストジェントルマン」の地位を新たに創設し、その人物に公的な職務を与える方針だ。

「人生を共にしてきたパートナーが、何らかの役割を持つことが可能になるべきです。そしてその役割の中で彼/彼女が認められることも必要なのです」。マクロン氏は2016年12月、フランスのテレビ局「TF1」に出演した時このように説明し、アメリカとは異なってフランスでは「ファーストレディ」に公的な地位がまったく与えられていないことに言及していた。「この件に関する枠組みがきちんと定められ、必要な措置が講じられることを望みます」。

ただし問題がある。マクロン氏の妻・ブリジット夫人が世論で得ている比較的良好なイメージにもかかわらず、フランス人の過半数が、公的な地位となる「ファーストレディ/ジェントルマン」の創設に反発しているのだ。

イギリスの世論調査会社「YouGov」によると、「公的なステイタスを付与され、その役職を担うファーストレディの創設を望みますか?」 という質問に、68%が否定的な答えをしたのに対し、肯定的な回答は25%にとどまった。

また「国家元首のパートナーが、以前より多少なりとも重要な役割を果たすことを望みますか?」という質問にも、やはり「現状のままでいい」という回答(49%)が「ファーストレディにより重要な役割を担ってほしい」という回答(29%)を上回った。また23%は以前より重要な役割を果たさなくてもいいと答えた。

■ 2人に1人が良いイメージ

とはいえ、公的な役職を担うファーストレディに対するこうした拒絶反応は、ブリジット・マクロン氏その人への否定であるとは言えない。大統領選の間、夫・マクロン氏の傍らにいる彼女の姿を目にした人も多いだろう。

同じくYouGovの調査によれば、49%が彼女に好印象を抱いていると回答したのに対し、悪いイメージを抱いていると答えたのは26%だった。25%はこの件に関して回答しなかった。

ハフポスト・フランス版のブロガーで、今回のフランス大統領選候補者の配偶者にスポットライトを当てた「Le Couloir de Madam(夫人の舞台裏)」の著者であるAlix Bouilhaguetは、次のように総括している。フランスは「奇妙などっちつかずの状態にある。わたしたちはファーストレディを求めながらも、本当のところでは欲していないのだ」。

ただでさえ「年齢差」の問題でマスコミの注目を浴びる彼女が、これ以上負担を増やすことへの憂慮だろうか。あるいは、メラニア・トランプ氏に象徴されるような「アメリカ的ファーストレディ像」への抵抗感だろうか。ファーストレディ/ジェントルマンのあり方が、今フランスで問われている。

(YouGovによる調査の詳細は以下の通り。期間:2017年5月9日〜5月10日、対象:18歳以上のフランス人1001人、方法:電話)

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。

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