【UPDATE】(2017/05/09 22:40)
公共放送KBSは、進歩系の最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン(文在寅)氏の当選が確実になったと伝えた。
韓国の朴槿恵前大統領の罷免に伴う大統領選が5月9日、投開票される。選挙戦は、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏(64)が優勢で、他の候補が追う展開。各候補は選挙運動最終日となる8日、全国の重点地域を駆け巡り、支持を訴えた。
調査機関「韓国ギャラップ」の1、2日の調査では、文氏は支持率38%で1位で、中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏(55)は20%だった。一方、北朝鮮に強硬な朴政権の与党だった保守系「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏(62)は16%と安氏に急接近。3日以降の世論調査の結果は公表が禁止されている。
先行する文氏は、2012年に続き、2回目の大統領選への立候補となる。貧困から成り上がった苦労人で気さくな人柄の一方、頑迷な「反日」主義者として知られる。ハンギョレ新聞などによると、慶尚南道で2男3女の長男に生まれた文候補は、貧しくて月謝が払えず、授業の途中に教室から追い出されたこともあった。浪人して慶煕大学法学部に進学。1980年に司法試験に合格して弁護士になり、2002年に盧武鉉氏が大統領選に出馬すると選挙戦を支えた。
北朝鮮への「太陽政策」を進めた盧武鉉政権で要職を歴任。大統領秘書室長を務めていた07年、国連の北朝鮮人権決議案の採択前に北朝鮮に意見を求め、韓国に棄権させていたことが16年、暴露された。
対する安氏は、韓米同盟の強化や対北朝鮮制裁の継続を主張している。4月19日の大統領候補によるテレビ討論会で、文氏が「太陽政策と盧政権による(北朝鮮への)融和政策は、われわれが南北関係改善に向け守るべき基本政策だ」と述べたのに対し、安氏は太陽政策への賛否は留保したうえで、「今は北朝鮮に対して制裁を行うべき局面だ」と語った。
保守層の支持は一時、安氏に流れていた。しかし朝日新聞デジタルによると、緊迫した朝鮮半島情勢のなかで、洪氏は北朝鮮について「私が大統領になれば力で制圧する」と訴えるなど強い姿勢を積極的に示し、保守層が結集しつつある。
韓国メディアによれば、午後11時ごろに大勢が判明する見通し。
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