ユナイテッド航空は4月9日、シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きの3411便で、アジア系の乗客が購入していた席を同社の従業員に譲らなかったため警察に通報し、この乗客を暴力的に機内から引きずり下ろした。この男性は医者で、患者を診るために帰宅しなくてはならないのでフライトの変更を拒否していたと語った。
当初、ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは、ダオさんが「破壊的で喧嘩腰だった」と説明していた。しかし、新しく出てきた映像は、ユナイテッド航空側の主張と一致しないようだ。
その映像でダオさんは「私は医者で、明朝8時に仕事があるのです」と、丁寧にシカゴ警察の警察官に話している。
今回公開された映像は、乗客のジョヤ・カミングスさんが録画し、11日朝Facebookに掲載された。動画を見る限り、ダオさんは沈着冷静だ。
「いいえ、私は行きません」とダオさんは言った。「私は行きません」
ダオさんは、電話で匿名の人物と話し、時期をみてユナイテッド航空を訴える可能性について検討していた。
警察官の1人がダオさんに対し、「機内からあなたをひきずり出さざるを得なくなる」と告げた。
「では、私を引きずっていきなさい」と、ダオさんは答えた。「私はここから離れません」 。彼は、刑務所に連れて行かれる方がマシだとも言っている。
程なくして、ダオさんは無理やり飛行機から引きずり降ろされた。
警察官がダオさんを席から引きずり出す前に、彼らのやりとりが今回公開された映像よりもエスカレートした可能性はあるが、ダオさんへのひどい扱いについて同じ機内にいた別の乗客が警察官と口論する声も入っている。
「彼はただ、翌日の仕事があって自宅に帰りたかったのです。それに、すでに自分が座っている座席を今さら明け渡せと言われたのは不当だと思ったのでしょう」と、この映像を録画したカミングスさんはFacebookに投稿した。「最初は、自分や、幼い子供たち、そして、お腹の中の子供の安全を心配するほどではありませんでしたが、彼を連れ出すために警察官が機内に呼ばれた時、私たちは彼のすぐ後ろの座席に座っていたので、このいざこざがどうなるのか、また、この狭い閉じた空間で警察官が武装しているかどうかが気がかりでした」
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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