埼玉県熊谷市の市立中学校が1月、「非行生徒」の氏名や学校での態度などをまとめた資料を、地域の自治会長らに渡していた。市教育委員会が3月15日、ハフィントンポストの取材に答えた。
同校は、学校での行動に問題がある生徒の情報を、地域で共有する必要があるとして、氏名や住所などの個人情報をまとめた資料を作成。1月に開かれた自治会長らでつくる「いじめ・非行防止ネットワーク会議」の場で、手渡したという。
資料に名前が記載されていたのは、1年から3年の13人の生徒。このうち5人は住所や顔写真が添えられ、「学力が低い」「性的な事への関心が強い」「暴力的な言葉を使う」などと学校での様子も記されていた。
会議には、自治会長や民生委員のほか、同校のPTA会長や市教委職員、県警熊谷署員など、計17人が出席。「取り扱い注意」と書かれた生徒の資料が1部づつ配られ、ほとんどの出席者が持ち帰った。
会議の翌日、資料に自分の子どもが載っていることを知った保護者から、学校に苦情が入った。市教委と熊谷署の計2部以外は回収されたが、資料を撮影した写真がSNS上に投稿された可能性があり、市教委が確認している。
「いじめ・非行防止ネットワーク会議」は2015年に始まり、今回で4回目。個人名が記載されたリストを作成したのは初めてで、過去の会議で出席者からの要望があったという。
市教委は15日、ハフィントンポストの取材に対し、「写真や住所などの個人情報をどこまで載せるのが適切だったのか、学校側のチェックが甘かった」と説明。「地域に現状を伝えるためには、どういう資料が必要なのかを検討していく」と述べた。
資料の流出については、「取扱注意とは書いていたが、資料の回収、管理を徹底し、再発防止に努める」と話した。
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