ドナルド・トランプ大統領は、バラク・オバマ前大統領が選挙期間中に自分の電話を盗聴するよう命じた、と主張しているが今も具体的な根拠を示していない。トランプ大統領顧問ケリーアン・コンウェイ氏は、監視の手段として「カメラになる電子レンジ」がありうるとして、トランプ氏を擁護する発言をし、物議を醸している。
ニュージャージー州のメディア「NJ.com」に3月12日掲載された「バーゲン・カウンティ・レコード」のインタビューで、コンウェイ氏は証拠を示さないまま、「盗聴は進化しており、監視する方法の一つとして『カメラになる電子レンジ』がありうる」と述べた。
「私に言えるのは、残念ながら今では、お互いに監視する方法がたくさんあるということです」と、コンウェイ氏は盗聴についての質問に答えて話した。「今週読んだある記事によると、誰かを監視する方法には電話やテレビなど、手段が数多くあります。カメラになる電子レンジなどもあります。ですから、これが現代生活の中の一つの事実にすぎないのです」
コンウェイ氏はこの発言の意味について13日、ABCニュースのキャスター、ジョージ・ステファノポロス氏から問われた。
コンウェイ氏は、トランプ氏や彼の選挙運動が電子レンジに監視されていたと言ったつもりはなく、ただ「一般的な監視方法」について話しただけだったと釈明。「何か特定のことについて話していたのではありません」と語った。
ジョージ・ステファノポロス氏(左)とケリーアン・コンウェイ氏
2/2: 「バーゲン・カウンティ・レコード」への回答は、監視に関するニュース記事と監視技術について一般的に答えたもので、選挙運動について答えたのではありません。記事の見出しが間違っているだけです。
トランプ氏が「2016年にオバマ氏がトランプタワーの盗聴を命じた」と最初に主張してから1週間以上経ち、コンウェイ氏は朝のテレビ番組のいくつかに出演した。だが、依然として盗聴の証拠を示していない。
しかしコンウェイ氏は、議会がこの問題を調査するべきだとするトランプ政権の要求を何度も繰り返した。
NBCニュースの番組「トゥデイ」でコンウェイ氏は、なぜトランプ氏が根拠のない主張を繰り返し、オバマ氏がアメリカ出身ではないというような恥ずべき陰謀論を広め続けるのかと問われて、繰り返し話題をそらそうとした。
「私には比較できません」と、コンウェイ氏はオバマ氏の出身地を疑った問題について述べた。「私たちは今ここで重要な政策について話している最中です。あなたの番組ですから、何について話すかはあなたが決められることはわかっています。しかし昨年だけで、2000万人がオバマケアに反対だと言い、そのうち650万人が罰金を払いました」
司会のサバンナ・ガスリー氏は「メディアがこの話題を持ち出したのではありません。トランプ大統領が持ち出したのです」と指摘した。
「あなたたちが持ち出したとは言っていません」と、コンウェイ氏は応じた。「しかしアメリカ国民が聞きたいと思っている話題はとてもたくさんあるのです」
メディアが証拠を強く求めるのは重要だと、ガスリー氏が指摘すると、コンウェイ氏は再び話題を変えようとした。
「これはどこかのブロガーが書いたようなものと同じではありません」と、ガスリー氏は語った。「アメリカの大統領が前大統領に電話を盗聴されたと非難したのです。ですから、メディアは公平に、この主張に真実味があるかどうか、ただ解明しようとしているだけです」
「わかっています」と、コンウェイ氏は話した。「しかし、アメリカ国民にとって他にも重要なことがとてもたくさんあります」
ABCニュースで、コンウェイ氏は証拠は全く持っていないと何度か話した。
「証拠は何も持っていません。しかしそのために議会の調査があるのです」と、コンウェイ氏は述べた。「それこそまさに調査する目的なのです」
コンウェイ氏は何か明白な証拠は持っているのかと再び聞かれて「もちろん、私はこの疑惑について全く証拠を持っていません」と語った。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
(スライドショーが見られない方はこちらへ)