AKB48に総合プロデューサーとして知られる秋元康さんが、4月に開校する和歌山市立の小中一貫校の校歌の作詞を担当したが、歌詞をネット上やSNSで掲載すると権利侵害になる可能性が出てきた。歌詞の著作権を、日本音楽著作権協会(JASRAC)が管理していることで市議会から懸念する声が上がっている。3月11日、朝日新聞デジタルなどが報じた。
問題となっているのは、伏虎(ふっこ)義務教育学校の校歌で、曲名は「伏した虎よ」。歌詞には、和泉山脈や紀の川などが歌われ、児童生徒を「若き虎」と表現。「今は伏して学ぶがいい」「伏虎で未来の夢を見よ」などと呼び掛けている。作曲を担当した同市出身の東京藝術大学学長、澤和樹さんが秋元さんに歌詞を依頼したことで実現した。
わかやま新報によると、澤さんは2月13日に市役所に訪れた際に、校歌を披露。「秋元さんの素晴らしい歌詞を口ずさんでいたところ、自然にメロディーになった」と紹介し、「100年以上歌い続けられる曲となり、子どもたちに愛されれば」と語ったという。
■ネットに校歌を投稿すると権利侵害に?
ところが、この歌詞をJASRACが管理していることが3月10日、和歌山市議会で問題視された。松井紀博市議の一般質問に対して、北克巳教育局長は「詳しく調査したところ、今後いろいろな制限が考えられることから、2月16日に(作曲者の)澤氏と(作詞者の)秋元氏の事務所を訪問し、校歌を使用しやすくしていただけるようお願いしたが、秋元事務所からの具体的な提案には至っていない」と答弁した。
わかやま新報では松井市議の話として、学校内で校歌を歌うことは自由だが、同窓会での合唱や、校歌を歌っている人を撮影し、SNSなどからインターネットに投稿すると、権利侵害になる恐れがあると報じている。
ハフィントンポストでは現在、JASRACに詳細を確認中だ。
【UPDATE】JASRACの広報担当者は、ハフィントンポストの取材に対し「この歌に関しては、秋本さんとJASRACの間で校歌としての利用は権利留保する契約を結んでおり、学校の公式サイトに歌詞を掲載するのは問題ありません。ただ、一般人がSNSに投稿するのはまた別になります」とコメントしている。(2017/03./14 16:06)
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