内閣府の務台俊介(むたい・しゅんすけ)政務官が3月8日夜、岩手県の台風被災地の視察で職員に背負われ水たまりを渡ったことについて「たぶん長靴業界は、だいぶ、もうかったんじゃないか」と話した。共同通信などが報じた。
都内で開催した、自身の政治資金パーティーの挨拶の中での発言。自身の行動が報じられた後で、政府が長靴の備品を購入したという流れでの発言だという。サンスポによると、9日午前、国会内で記者団に「大いに反省したい」と述べ、松本純防災担当相から注意されたとも明かした。
務台政務官は2016年9月1日、台風10号に伴う豪雨被害の視察で岩手県岩泉町を訪れた際、同行者に「おんぶ」されて水たまりを渡ったことを岩手日報などが報じ、物議を醸した。この日、務台氏は長靴を履いていなかった。
務台氏は2016年9月1日、9人が死亡した高齢者グループホーム施設「楽ん楽ん」がある岩泉町の乙茂地区の被災状況を視察。その際、小川があふれて冠水している場所を、随行した政府職員に「おんぶ」され、水たまりを渡った。岩手日報によると、務台氏は長靴ではなく丈の短い靴を履いており、国の同行者から促されたという。
一部のテレビなどで「おんぶ姿」が報じられると、ネット上で「みっともない」「何しに来たんだよ!」などといった非難の声が相次いだ。
被災地の視察を報告した自身のFacebook上にも「そんなに濡らしたくないような高級な靴だったんですか?」「災害復興政務官としてあのような振る舞いをするとどの様に切り取られるか、充分にお分かりと思います」といった、行動を諌めるコメントが投稿された。
務台氏は復興政務官も兼任している。上司にあたる今村雅弘復興相は9月10日、岩泉町を視察に訪れた際、報道陣の質問に対し「その話を聞いて『何やってんだ』と叱責(しっせき)した。私からもおわび申し上げる。申し訳ありませんでした」と謝罪した。今村復興相によると、務台政務官は「そこまで気が至らなかった」と反省していたという。
務台氏は、自民党所属で長野2区選出の衆院議員(当選2回)。総務省消防庁防災課長などを務めた後、政治家に転身した。第3次安倍内閣第2次改造内閣で、内閣府政務官兼復興政務官に任命された。