10代から50代の働く女性8903人に対する調査を行ったところ、自分の職場に婦人科検診制度が「ある」と答えた人は39.7%で、「ない」の45.4%を下回った。
女性が職場で活躍し続けるためには、子宮頸がんや乳がんなど女性特有の身体のリスクを早めに発見することが大事だが、企業のサポートが遅れている状況が浮き彫りになった。
また、回答者のうち508人が「婦人科系疾患によって働くことや昇格などをあきらめた経験がある」と答えた。女性の「悲痛な叫び」が聞こえてくるようだ。
婦人科検診制度が職場に「ない」と答えた人が「ある」を上回ったが、多くの女性は「制度さえあれば受けたい」と思っているようだ。
調査で、職場で婦人科検診があれば受診するかどうかを聞いたころ、「自己負担がないなら受けたい」と答えた人が58.2%。「自己負担があっても受けたい」が33.1%に達し、お金をかけてでも、検診の大切さを理解している人が少なくない。
職場で婦人科検診の制度があることについて最も多い回答は「会社への信頼度が上がる」(45.3%)で、「この職場なら安心して長く働こうと思える」が34.9%と次いだ。ほかにも「職場を選ぶ基準になると思う」(26.3%)、「会社に貢献しようと思う」(7.1%)などの回答があった。
婦人科系疾患でキャリアをあきらめる人もいるようだ。アンケートでは次のような声が出てきた。
・昇格の話があったが、乳癌検診で再検査になり、再検査の為に有給を使ったら昇格が無くなった。
・自分が休むことによって他の人に迷惑がかかると思い、誰にも相談できずに退職しました。
・正社員で就労していて不妊治療のために不定期で時間休暇を取得したいと申し出たが断られた。その後、非常勤になりたいと希望したが断られ退職を勧められた
・子宮筋腫で生理痛が酷くなり、フルタイムからパートにした。
・深夜勤を数年続けていたことで、自律神経のバランスが崩れ、ホルモンバランスも崩れてしまった。生理が遅れることが増え、生理痛も増強して深夜勤が体力的に辛くなりうつ病で 休職、その後退職しました。
シンクパールの難波美智代・代表理事に、今後働く環境はどう変えていくべきかを尋ねたところ、こう語った。
「疾患を抱えながら働き続ける苦労は計り知れません。忙しい女性のために、オフィスで検診を実施するなどのサポートが必要です。意欲や能力の高い女性たちが健康的に働くことは、企業の経営課題でもあります。
体の性差を理解し、制度を整えることが企業側のメリットであることが結果に表れてきました。早めに疾患を発見して治療を進めれば、キャリアをあきらめない女性も増え、企業も戦力を維持できるはず。
ダイバーシティを取り入れる、という観点からも、会社が制度をしっかりとルール化することが大切。そうすれば、誰もが力を発揮できる社会の一歩になります」
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