スノーデン容疑者、ロシアからアメリカに引き渡し? でも本人は喜んでいる

「スパイをみすみす手放す国なんてない」
Edward Snowden speaks via video link during a news conference in New York City, U.S. September 14, 2016. REUTERS/Brendan McDermid
Edward Snowden speaks via video link during a news conference in New York City, U.S. September 14, 2016. REUTERS/Brendan McDermid
Reuters

アメリカNBCニュースは2月10日、アメリカ国家安全保障局(NSA)や中央情報局(CIA)の元職員で、機密情報を内部告発したエドワード・スノーデン容疑者について、亡命先のロシアがアメリカへの身柄引き渡しを検討していると報じた。

ロシアにとっては、ロシア政府やウラジミール・プーチン大統領を擁護しているドナルド・トランプ大統領への、一種の「贈り物」になる。

しかし、スノーデン容疑者は、今回の引き渡し報道を率直に喜んでいるようだ。

「結局これは、私がロシアの諜報機関と決して協力しなかった動かぬ証拠だ」と、スノーデン容疑者はツイートした。彼はNSAの監視プログラムに関する機密文書を数千ページ漏えいさせ、反逆罪に問われている。今後アメリカでは厳しい刑務所暮らしになる脅威が待ち受けているのに、その口調は明らかに陽気だった。

結局、私がロシアの諜報機関と決して協力しなかった動かぬ証拠だ。スパイをみすみす手放す国なんてない。なぜなら、他のスパイたちが、次は自分じゃないかと恐れることになる。

NBCの報道を受けて、スノーデン容疑者はTwitterで驚くべき反応を見せた。NBCはアメリカの情報機関関係者が情報源だとしている。「プーチン大統領は、これがトランプ大統領の機嫌を取る方法だと考えている」と、その情報筋はNBCに語っている。トランプ大統領は、「スノーデン容疑者を死刑にすべきだと思う」と発言したことがある。

オバマケアは大惨事で、スノーデンは死刑に処すべきスパイだ。しかし、もしスノーデンがオバマ政権の記録を明らかにするなら、私は大ファンになるかもな。

2016年12月、プーチン大統領がスノーデン容疑者をアメリカに引き渡すのではという観測が初めて出た時、Yahooニュースのアンカー、ケイティ・クーリック氏はスノーデン容疑者に質問した。その時のスノーデン氏の反応は、今回と同じようなものだった。スノーデン容疑者は笑顔で答えた。

「ちょっと勇気付けられていますよ」と、スノーデン容疑者はモスクワのホテルで答えた。「『この男はロシアのスパイだ』と、ほんの数年前から言われているのですから」。スノーデン容疑者は「自分は誰の影響下にもないし、自分が常にアメリカのために働いてきたことが正しかったという証拠だ」と語った。

しかしスノーデン容疑者は、実際にアメリカ当局へ引き渡されるのは「決して起きてほしいとは思わない」と答えた。「これが私の自由と私の生活を脅かすのは明らか」と、スノーデン容疑者はクーリック氏に語った。

スノーデン容疑者はロシア人と協力していて、受け入れ国のロシアで人権侵害があることに正面から発言していない、という非難に対して、彼はとりわけ敏感になっている。

アメリカ下院情報委員会は2016年12月の報告書で、海外駐留米軍を重大な危険にさらしロシアの諜報機関と接触し続けているとして、スノーデン容疑者を非難したが、確実な根拠となる詳細には一切触れていない。その時、スノーデン容疑者はこう反論していた。

3年間調査して、数百万ドルを費やしたのに、彼らは私の悪意、私が及ぼした外国への影響、被害を示す証拠をまったく出していない。おっと。

「公正な裁判が保証されるなら、喜んでアメリカに戻る」と、スノーデン容疑者は語っている。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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