小池百合子氏、石原慎太郎氏を牽制「『記憶にありません』は、国民の方がご覧になる」

小池百合子都知事は石原慎太郎元知事に対しての意見を問われ「『記憶にありません』と逃げる姿勢を見せることは、それも国民の方がしっかりご覧になると思う」。
時事通信社

豊洲市場の土地購入を巡り、都議会の移転問題特別委員会が石原慎太郎元知事らを参考人として委員会に招致することを決めた。

小池百合子都知事は、2月10日の定例記者会見で、「『記憶にありません』と逃げる姿勢を見せることは、国民の方がしっかりご覧になると思う」と石原氏を牽制した

記者会見で、招致について質問を受けた小池氏は「都議会の話」とした一方で、以下のように石原氏や議会の姿勢について牽制した。

都政の話がいまや全国的(な話)になっており、非常に議員の力量も試されるし、質問内容も、打ち合わせしたものになるかどうか。そこも国民の方がじっとご覧になるのではないでしょうか?そして、『記憶にありません』と逃げる姿勢を見せることは、それも国民の方がしっかりご覧になると思う。

朝日新聞デジタルなどによると、都議会の特別委員会では7日、豊洲新市場の地下水モニタリング調査で、国の環境基準地を大幅に超える有害物質が検出されたことを受けて、どのような経緯で用地取得が決まり、東京都側の汚染対策の負担が膨らんだのかについて詳しい経緯を聞くことが決まった。

都議会では民進・共産会派が参考人招致を提案。当初は自民・公明は慎重な姿勢だったが、都議選を前にした時期で都民の関心の高まりなどが考慮され、一転して全会派が賛成した。

参考人招致は拒否しても罰則がなく、強制力はない。しかし、石原氏は「喜んで応じます」と報道各社のインタビューに答えている。参考人としては、他に、用地取得の交渉を担当した浜渦武生・元副知事らも招いている。

■石原氏の責任、都でも調査

石原元知事の責任をめぐっては、東京都側も法的な責任の有無について調べると発表している。

汚染対策を東京都が負担した経緯や土地取得費が多額になったことについて、東京都は昨年10月、石原氏から文書で回答を得ているが、小池知事によると「ほとんどが『わかりません』といった内容」だったという。

小池知事は、これまでの「石原氏に損害賠償責任はない」としてきた都の方針を見直し、庁内に特別チームを設置して、石原氏の法的な責任の有無を調べるとしていた。

豊洲移転に関しては、石原氏の損害賠償責任を問う住民訴訟が提起されている。原告側は都に対して、石原元知事に土地の売買代金約578億円を賠償請求するよう求めている。

小池知事は2月10日の記者会見で、「急にここへきて動きだされて、何があったか存じ上げません。急に元気になったり、弱気になられたり、波があるのでこの後もどうなるかよくわかりません。そこは見極めていきたい。大変な住民訴訟を抱えておられるわけですから、日本一の弁護団をお組みになられるかどうかわかりませんが、都としても都議会の参考人招致をにらみながら進めていくことになると思います」

▼豊洲市場・工事の様子画像集▼

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