ドイツのアンゲラ・メルケル首相は1月30日の会見で、アメリカのドナルド・トランプ大統領が命じたイスラム圏7カ国の市民の入国を禁止する大統領令を強く非難した。
「テロとの戦いは必要不可欠なのは疑いようがない。しかし、イスラム教のような特定の信仰や出身国を理由に、全員に疑いをかけることは正当化できない」と、メルケル氏は話した。「このような考えは、国際的に難民を支援・協力しようとする基本原則があるという私の解釈とは相いれません」
ドイツのアンゲラ・メルケル首相はドナルド・トランプ氏のアメリカ入国禁止令をあらためて批判している。「イスラム教徒をまとめて全員疑っている」と非難している。
メルケル氏の発言は、イギリスのテリーザ・メイ首相のあいまいな反応とは対照的だ。
イギリス政府は28日、大統領令について「私たちはこのようなアプローチには同意しません」と述べた。メイ氏は27日、ワシントンD.C.でトランプ氏と会談したが、その数時間後、トランプ氏はイスラム教徒の入国禁止を命じる大統領令に署名した。
この大統領令により、アメリカのシリア難民の受け入れプログラムも停止する。シリアの危機は日ごとに悪化している。ドイツは2015年以降、紛争中のシリアや他の地域から100万人以上の難民や移民を受け入れている。
メルケル氏の発言は、ドイツ政府とトランプ政権の間で溝が深まりつつあるのを反映している。トランプ氏はドイツの難民受け入れ策を繰り返し批判してきた。一方、メルケル氏は、トランプ氏の入国禁止令を強く非難している。両首脳は28日、電話で会談したが、メルケル氏はトランプ氏に、国際社会は難民を受け入れなければならないと警告した。
「ジュネーブ条約により、国際社会は人道的な理由から戦争難民を受け入れる必要があります」と、ドイツ政府のシュテッフェン・ザイベルト報道官は話した。「全ての加盟国に難民受け入れの義務があります。ドイツ政府はこの方針を電話で説明しました」
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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