カナダ・ケベック州のケベック市にあるモスク(イスラム教の礼拝施設)で1月29日、礼拝中に複数の男が乱入して銃を乱射、CBCによると6人が死亡、8人が負傷した。
目撃者はロイターに対し、最大3人の銃を持った男が、ケベック市のイスラム文化センターのモスクに集まった約40人に発砲した。礼拝に参加していたのは大部分が男性だったという。
ケベックの警察は死者が発生したことを認めた。警察の広報担当者は、「死者はいる。犠牲者は多い」と話した。
容疑者は最大で何人いたのか、すべてが逮捕されたかは不明だ。
「なぜここでこんな蛮行が起きるのか」とモスクの責任者、モハメド・ヤンギ氏は語った。
ヤンギ氏は銃撃事件が発生したときにモスクの外におり、夕方の礼拝のときに激しい叫び声を聞いたと語った。被害者は市内のいくつかの病院に搬送されたという。
カナダのジャスティン・トルドー首相は、この銃撃を「卑劣な攻撃」と非難し、暴力の犠牲となった人々への哀悼の意をTwitterで表明した。
今夜、カナダ人はケベックのモスクへの卑劣な攻撃で殺された人たちのために哀悼の意を捧げます。私は犠牲者とその家族とともにあります。
ケベック州のフィリップ・クイヤール首相( @phcouillard )と話し、私は今説明を受けています。我々は、必要とされるすべての援助と支援を提供しました。
トルドー首相は声明も発表した。
「捜査当局は依然として捜査中ですが、このような無差別の暴力に胸を痛めています。 多様性は私たちの強みであり、宗教への寛容さは私たちがカナダ人として愛する価値です。
イスラム教徒のカナダ人は私たちカナダの重要な要素であり、これらの無差別な行為は、私たちのコミュニティー、都市、そして国内では許されません。カナダの司法当局は、カナダ人すべての権利を守り、加害者および寛容さを否定する行為を取り締まるよう、あらゆる努力をします」
ニューヨークのビル・デブラシオ市長は今回の事件を受け、警察がニューヨーク市内のモスクの警備を強化すると発表した。
■増加するイスラム教徒とヘイトクライム
この文化センターでは2016年6月、入り口に豚の頭が置かれたことがある(訳注:豚はイスラム教で禁忌とされており、イスラム教徒への嫌がらせを意味する)。
カナダでフランス語を公用語とするケベック州は、フランスと同様にイスラム教徒の人口が増加しており、世俗的な社会規律との対立が表面化している。増加するイスラム教徒の多くは北アフリカからの移民だ。カナダの2015年の総選挙では、イスラム教徒の女性が顔を覆う「ニカブ」への賛否が大きな争点となり、特にケベック州では、有権者の大部分が市民権授与式での着用禁止を支持していた。
イスラム教徒へのヘイトクライム(差別に起因する犯罪)も増えている。 2013年、ケベックのサグネイ地区にあるモスクで、豚の血とみられる液体がまき散らされたことがあった。隣のオンタリオ州では、2015年11月にパリで同時多発テロがあった翌日、モスクが放火されたことがある。
ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
▼画像集が開きます▼
※画像集が表示されない場合はこちらへ。
関連記事