イタリア・ベネチアのカナル・グランデ(大運河)で1月22日、西アフリカ・ガンビアの難民パテ・サバリーさん(22)が溺れているにもかかわらず、そばにいた観光客たちは暴言を浴びせて救助もせず、携帯電話で撮影していた。サバリーさんはその後溺死した。現在イタリア当局が捜査を進めている。
ネットに投稿された動画や写真をみると、傍観している人たちがいるなかで、サバリーさんが、22日、運河でもがいている様子がわかる。
【閲覧注意】動画に、溺れている人を撮影したシーンがあります
ロイター通信によると、飛び込んで救助しようとした人は誰一人おらず、周囲の人たちはサバリーさんをからかい、「馬鹿だな。奴は死にたいんだろ」などやじっていたという。タイムズによると、「そのまま国に帰れ」と叫んでいた人もいたという。
ヴェネツィアの大運河で、ガンビア出身の男性が溺死した時、観光客がこの事件の動画を撮っていた
ただし、少なくとも救命用の浮き輪が3つサバリーさん付近の水上に投げ込まれた。しかしサバリーさんが浮き輪に手を伸ばしているようには見えなかったため、自殺を試みたのではないかという憶測もある。
イタリアのライフガード協会の代表ディノ・バッソさんは、「誰も責めたくはありませんが、おそらく彼を救うために、他にできたことはもっとあったのではないでしょうか」と語った。
地元メディアの報道によると、サバリーさんは2年前に、アフリカからにボートに乗って、イタリアに来ていた。
2016年、 18万1000人以上の移民がボートでイタリアにやって来た。その大半がサハラ以南のアフリカ出身者で、2015年と比較して18%近く増加している。
サバリーさんはイタリアへの居住許可証を持っていたという。
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