「なんでも鑑定団」曜変天目の真贋が知りたい テレビ東京に再び聞いてみた

専門家から疑問の声が相次ぐ。テレビ東京の対応に批判も。
tv-tokyo.co.jp

世界に3点しか現存しないとされる「曜変天目茶碗」が新たに見つかったと伝えたテレビ東京の番組「開運!なんでも鑑定団」に対し、専門家などから「ニセモノでは」と指摘する声が相次いでいる。テレビ東京は放送が始まる前、「番組始まって以来 最大の発見」とPRし、さまざまなメディアがニュースとして報じた。

テレビ東京がどう受け止めているのか、ハフィントンポストは電話やメールで問い合わせた。テレビ東京広報部は取材に対し、「以前もお伝えしました通り、お答えすることはありません」と答えた。

■テレビ東京は「番組始まって以来、最大の発見」と事前に宣伝

問題の茶碗は、2016年12月20日放送のテレビ東京系「開運!なんでも鑑定団」に登場。古美術鑑定士の中島誠之助氏は、これを「曜変天目茶碗」と鑑定した。茶碗には2500万円の評価額をつけられ、中島氏は「国宝になっていたかもしれない大名品」と絶賛した。

また、テレビ東京は放送に先立って公式ウェブサイトで「番組始まって以来 最大の発見」と宣伝。番組プロデューサーの岡田英吉氏も「幻の焼き物『曜変天目茶碗』の4点目がスタジオに出現」「鑑定士中島誠之助が番組22年の歴史の中でも『最大の発見』と大絶賛する様には思わず体が震えました」とコメントを発表した。

これを受けて、国内の主要メディアも「国宝級の曜変天目茶碗か」「『曜変天目茶碗』幻の4点目見つかる」などと、ニュース記事として報じた。

ところが番組放送後、視聴者や専門家などからは鑑定内容を疑う声が相次いだ。これについては、1月10日にハフィントンポストが報じた

この時、ハフィントンポストはテレビ東京に質問状を送付し、鑑定の根拠など詳細を問い合わせたが、テレビ東京広報部は「鑑定結果は番組独自の見解に基づくものです。また、番組の制作過程については従前よりお答えしておりません」と回答した

■専門家から疑問の声。テレビ東京の対応に批判も

ハフィントンポストでは曜変天目の再現を試みる陶芸家の九代目長江惣吉氏に話を聞いたが、長江氏は「お土産品レベルの曜変の紛い物」と、曜変天目ではないという見解を示した

その後、各メディアも専門家の意見をもとに「なんでも鑑定団」に疑問の声があがっていることを報じた。

テレビ朝日系「モーニングショー」の番組コメンテーターで元AERA編集長の浜田敬子氏は、1月25日の放送内でテレビ東京の報道機関としての説明責任に言及。

浜田氏は「4番目の国宝発見ということでプレスリリースまで出してニュースになった。指摘があったからには再鑑定を。間違えることはあるので、それに対してどうフォローすべきか。説明責任を果たすべき」とテレビ東京を批判した。

■説明責任を問う声、テレビ東京はどう受け止めた?

こうした専門家の声や報道を受けて、テレビ東京は今後どのような対応をするのか、ハフィントンポストでは1月25日にテレビ東京広報部にメールで問い合わせていた。質問内容は以下のとおり。

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1、専門家の指摘や各メディアの報道を受けて、今後どのような対応を取られますか。

2、検証番組や再鑑定、記者会見など、事情を説明する何らかの機会を設ける予定はありますか。

3、芸術品や工芸品の鑑定には、多様な見方があり、金額の算定は難しい面があります。今後、鑑定のあり方や、番組の構成を変える予定はありますか。

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これに対し1月26日、テレビ東京広報部からは以下の回答が寄せられた。

この件につきましては、以前もお伝えしました通り、特にこちらからお答えすることはありません。

■テレビ東京の放送倫理を紹介するページには…

テレビ東京の公式サイト内には、同社の放送倫理を紹介する「よりよい放送をめざして」というページがある。そこにはこう書いてある。

私たちは、視聴者の皆様に、感動・喜び・笑い・驚きを伝える良質な番組を制作・提供するために、日々努めています。そして、真実を広く伝え市民の知る権利に奉仕し、人権を尊重する自由で平和な社会の実現に貢献することを使命と考えています。
そのために、放送番組編成基準、その他各種のルールを策定・遵守し、又、外部の方々のご意見・企画等を積極的に取り入れてまいります。

よりよい放送をめざしてより)

※ハフィントンポストでは今回の鑑定について、あるいはこうしたテーマをテレビ番組が取り上げる際の課題などについて、ご意見や情報を募集しています。また、「開運!なんでも鑑定団」の内情についてご存知の方からの情報も募集しています。news@huffingtonpost.jpまでお寄せください。

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