トランスジェンダーに「出生証明書と同一の性別」のトイレを使うよう求める州法「ハウスビル2」(HB2)に署名したノースカロライナ州のパット・マクロリー前知事が1月20日、トランプ大統領の就任式に参加するためワシントンD.C.の通りを歩いていたところ、LGBTを支持するグループに抗議される一幕があった。
シャーロット・オブザーバー紙によると、マクロリー氏はキャピタルヒルトンホテルの外で抗議デモの集団に追い回された。マクロリー氏は抗議デモの参加者たちと鉢合わせし、「恥を知れ!」と繰り返し叫ばれ、あわてて路地に逃げ込んだ。
この様子は20日、Facebookに動画が投稿されて明らかになった。デモ参加者たちはマクロリー氏を「ゲイに反対する偏狭者」と激しく非難している。
マクロリー前知事は2016年11月の知事選で民主党候補ロイ・クーパー氏に敗北し、1月1日に退任している。
任期中、マクロリー氏はHB2に対する批判は「政治劇だ」「州の学校で男子が女子トイレやシャワー室を使うことを推進している」などと反論していた。
こうしたマクロリー氏の発言はアメリカ全土で批判が高まった。HB2への敗退表が、11月の州知事選でマクロリー氏敗北の一因となったとみられる。
マクロリー氏は退任以降も主張を変えていない。マクロリー氏のスポークスマン、リッキー・ディアス氏は22日、ザ・シャーロット・オブザーバーに声明を出し、1月20日の小競り合いを非難した。
「数十人の抗議デモ参加者が前知事と警察をつけ回し、侮辱的な言葉を叫んだことを遺憾に思う」と、ディアス氏は述べた。「今はむしろ、私たちはお互いに敬意をもって、意見を聞き、一致団結する時だ」
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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