日本の「アパホテル」の客室に南京大虐殺を否定する本が置かれているとして中国のSNSで反発が広がった問題で、ホテルを運営するアパグループ(東京)は1月17日、「撤去は考えていない」との見解をサイト上に発表する一方、ハフィントンポストの書面での質問に回答した。
問題となったのはアパグループの元谷外志雄代表のエッセーを日本語でまとめた本「誇れる祖国 日本復活への提言Ⅳ 本当の日本の歴史『理論 近現代史学Ⅱ』」(英題はTHEORETICAL MODERN HISTORY II The Real History of Japan)で、英訳が付けられている。南京大虐殺について、当時の南京市の人口などを基に、南京事件の犠牲者を30万人とする中国側の主張を「あり得ない」と指摘した。
中国国内のネット上で非難の声が上がっている。また、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、一部の旅行会社が同ホテルとの協力停止を宣言したと報じた。
質問と回答は次の通り。
――「理論 近現代史学II」はすべてのアパホテルの全客室に置かれているのでしょうか。そうすると、全部で何冊になるのですか。
アパホテルの全客室に置いています。
アパホテルは419ホテル6万8601室(建築・設計中、海外、FC、パートナーホテル含む)を展開しております。書籍については、現在運営している直営・FCホテル193ホテル3万7615室(海外7ホテル1388室含む)に客室設置しています(※ホテル数・客室数は2017年1月17日現在のものになります)。
※1月18日夕にアパグループから訂正の申し入れがあり「本書籍は、国内のアパホテル全客室に置いていますが、海外アパホテルFC店及びCoast Hotel直営店には現在のところ置いていません」とのことです。(2017年1月18日 17:30)
――この本を客室に置いている目的は何なのでしょうか。
本当の日本の歴史を広く知っていただくためです。
ニュースが出たことについてどう捉えていますか。また、今後の対応はどんなものですか。
様々な意見があってよいと思いますが、書籍について今後何らかの対応をとる予定はありません。
――アパホテルでは現在、中国人の観光客は何割くらいを占めるのでしょうか。
直近では、国内アパホテルの全宿泊者の約5%です。
――本は「慰安婦の強制連行」も否定しており、中国や韓国の人たちがこのニュースに反発していると伝えられています。キャンセル客は出ているのでしょうか。
このニュースによってキャンセルが特に増えているということはありません。
――17日15時現在、「アパホテル」のサイトがダウンしている模様です。アクセスが殺到しているためでしょうか。
アパホテル公式サイトへのアクセスが集中したことにより、サーバーが停止したことが原因だと考えられます。
■中国外務省が反発
この問題について、中国外務省の華春瑩・副報道局長は17日の記者会見で「日本国内の一部勢力が歴史を直視したがらず、否定、歪曲しようとしていることを再度明らかにした」と述べた。
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