人工衛星打ち上げ用としては世界最小クラスのロケットが1月15日午前8時33分、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)で打ち上げられたが、飛行を中断して打ち上げは失敗した。NHKニュースによると、機体の状態を示すデータが途中で受信できなくなったため、2段目のロケットに点火しなかったという。
このロケットは「SS-520 4号機」。2段式の観測用ロケットを改造して3段式にしたもので、直径52cm、全長9.54m、重量は2.6トンしかない。FNNニュースではその大きさから「電柱ロケット」と報じている。打ち上げる衛星「TRICOM-1」も、重さ3キロと超小型だ。打ち上げ費用は数億円程度と見られている。打ち上げは当初、1月11日を予定していたが、強風の影響で直前で中止となっていた。
Advertisement
現在の宇宙開発では、数トン程度の人工衛星を打ち上げるための大型ロケットが主流だ。技術の発達で重さ数キロの超小型衛星も開発されたが大型ロケットでしか打ち上げるしか手段がなく、非効率さを指摘する声も出ていた。超小型衛星に合わせた小型ロケットへの期待が世界的に高まっており、今回の「SS-520 4号機」は、その先駆けになりそうだった。
1月9日、内之浦宇宙空間観測所において行われたSS-520 4号機実験の機体公開の様子
■打ち上げの模様(NVSによる中継)
■関連スライドショー「ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた宇宙」
(※開かない場合は、こちらへ)
Advertisement