タイタニック号沈没の原因は火災?  新説が浮上

船員が船の速度を上げようとしたのは、大規模な火災が発生したからではないかと指摘している。

1912年に沈没した豪華客船タイタニック号の事故原因は、氷山との衝突ではなく、火災だったのではないかとする新説が浮上した。

イギリスのチャンネル4で1月1日に放送されたドキュメンタリー「タイタニック:新たな証拠」では、タイタニック号の専門家であるセナン・モロニー氏が新たに発見されたタイタニック号の火災の跡の写真を公開し、船の沈没の原因はこれまでに考えられてきた氷山との衝突よりも、火災によるところが大きいのではと指摘している。

モロニー氏は航海に出る前に撮影されたタイタニック号の写真で、船体の側面に黒い焦げ跡があると指摘し、航海前の火災によって船の構造がすでにもろくなっており、そのために氷山との衝突が沈没につながったのではないかと話している。

モロニー氏の発見は、オハイオ州立大学工学部ロバート・エッセンハイ教授の仮設をさらに前進させたものだ。2004年にエッセンハイ教授は2004年、タイタニック号の船員が船の速度を上げようとしたのは、大規模な火災が発生したからではないかと指摘している。

「船の速度を上げたということは、何か重要な理由があるということです。例えば石炭庫で火災が発生し、航海中は火災がそれ以上広がらないように食い止めて港に着いた後で消そうと考え、急いで速度を上げたのかもしれません」と、科学専門誌「サイエンス・デイリー」がエッセンハイ教授の理論を紹介している。

ドキュメンタリー番組では、タイタニック号の沈没の原因は、氷山との衝突ではなく火災だったという説を唱えている。

CNNによると、モロニー氏がこの説に至ったのは、2012年のイングランドのオークションがきっかけだったという。「氷山と衝突して沈没した、という簡単な話ではないのです」と、モロニー氏はイギリスのタイムズ紙に語った。「火災、氷山、そして重要な過失という様々なファクターが重なって、沈没事故につながったのです」

しかし、タイタニック号を研究する全ての専門家が、火災が沈没した最大の原因だと考えているわけではないと、モロニー氏は付け加えた。

「確かに火災も起こったのでしょう」と、タイタニック号の研究機関「ブリティッシュ・タイタニック・ソサエティ」の元事務局長デイヴィッド・ヒル氏はタイムズ紙に語った。「火災がそれほど大きな要因だったのでしょうか? あくまで私の個人的な意見なのですが、あまり影響はなかったように思えます」

レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットを起用し、アカデミー賞を受賞した映画「タイタニック」のラストシーンでは、タイタニック号は1912年4月15日の処女航海で沈没し、1500人以上の乗客が命を落としたとされている。

4月15日の沈没事故の数時間後、タイタニック号のわずかな生存者を乗せた救助ボートが、救助船のカルパチア号の付近を通った時の写真。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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