韓国・釜山の日本総領事館前に2016年末に慰安婦像が設置されたことへの対抗措置として、日本政府は1月6日、通貨下落などの緊急時にドルなどを融通し合う日韓間の通貨交換(スワップ)協定の協議中断を決めた。これを受けて麻生太郎財務相は同日の閣議後の記者会見で、「信頼関係をきちんと作った上でやらないとなかなか安定したものにはならない」との見方を示した。ロイターなどが報じた。
韓国と日本は2001年7月に通貨スワップ協定を結んだが、12年8月に当時の李明博大統領が竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島)を訪問したことを機に日韓関係が冷え込んだ影響で規模が縮小し、両国は15年2月に協定を延長せず終了していた。
産経ニュースは次のように伝えた。
ただ、中国景気の減速で韓国経済に大きな影響を与えかねず、国境を越えた景気悪化の連鎖を防ぐために通貨協定が必要だとの見方もあり、昨年8月に再開に向け議論を始めることで合意していた。
麻生氏は「時間をかけて交渉しましょうという話だった」とし、「今回は当面の処置としてということで中断する」と話した。
(【釜山・慰安婦像設置】日韓通貨スワップは「信頼関係ないと安定しない」 麻生財務相が再開協議中断で - 産経ニュースより 2017/01/06 14:28)
一方、韓国の企画財政省は6日、日本が日韓通貨スワップ協定の協議中断を表明したことを受け、遺憾の意を表明した。朝日新聞デジタルは「同省関係者は同日、『政経分離原則に反する日本政府の措置は大変遺憾だ』と語った」と伝えた。
慰安婦像は旧日本軍の慰安婦問題を象徴する「少女像」で、釜山の大学生や市民団体が2016年12月30日に設置した。日本政府は像を設置させないよう韓国政府や釜山市に繰り返し求めていた。
テレ朝newsは、朴槿恵大統領が職務停止中ということもあり具体的な対策を取れていなかったことも事実としたうえで、「日韓合意で改善しつつあった関係が今後、急速に冷え込むことになりそうです」と伝えた。
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