韓国の中小企業が造った有人ロボットの動画が、ソーシャルメディアなどで、本当に完成したのかを巡って議論になっている。
「アバター」などのSF映画に登場しそうな出来栄えに称賛する声も多いが、メーカーの技術力に対する疑問も少なくない。
ハリウッド映画のコンセプトデザイナーを務めるビタリー・ブルガロフ氏は12月26日、Facebookで「『韓国未来技術』と共同で、高さ4m、重さ1.5t級の有人ロボット『メソッド-1』を開発している」として、12月16〜24日の間に数回、動画や写真を公開して話題となった。
ブルガロフ氏が公開したロボットは、人間が胴体に乗って操縦する人間形で、外観は2009年のハリウッドSF映画「アバター」に出てくる戦闘兵器「AMPスーツ」に似ており、ネットユーザーからは「アバターロボット」と呼ばれている。
「メソッド-1」は動画で、搭乗者の操作で2歩歩いて腕を動かし、かなりの完成度に到達したとみられる。
「韓国未来技術」は、京畿道・群浦(グンポ)に研究所がある産業機械の製作会社というくらいしか知られておらず、会社のウェブサイトも見つからない。
ブルガロフ氏は「メソッド-1」を近い将来、企業の生産現場に投入するとともに、両足を車輪に交換した新しいモデルを開発して、日本の福島第一原発の災害復興に使う計画だと、自分のFacebookで明らかにしている。
「いちばんよく質問されるのは動力源のことです。この会社の短期的な目標は、ロボットが投入されないような産業分野にロボットのプラットフォームを開発することです。もう一つの現実世界での適用可能性は、車輪を取り付けて、平らでない地形に十分な動力源と活動可能な場所を作り出すことです。改良型は既に開発中であり、福島の原発事故の復興現場に投入することを計画しています」
しかし、ロボットが本当に商用化に近い段階のかはまだ不明で、海外メディアは「不審な点が多い」と指摘している。
SF映画やゲームに登場するロボットや機械のデザイナーが、ほとんど知られていない中小企業と組んで、最先端のロボットを開発した背景が判然としないことや、「メソッド-1」の技術力を証明する証拠も、ブルガロフ氏がネットにアップした動画や写真しかないという点だ。
アメリカの科学技術メディア「ライブサイエンス」は、記者が会ったことのある主要なロボット研究者が「韓国未来技術」を聞いたことがなく、ブルガロフ氏も「メソッド-1」の開発に参加している研究者の実名や所属機関を明かすことを拒否したと、22日に報じた。
ライブサイエンスは「メソッド-1」の動画でも、ロボットの脚の関節が物理の法則に反するほどスムーズに動作し、製品のデモンストレーションがあった韓国未来技術の実験室が、あまりにも整然としているなど、不審な点が少なくないと伝えた。
ハフィントンポスト韓国版に掲載された記事を翻訳しました。
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