シリア内戦の最大の激戦地だったアレッポで、中断されていた市民の避難が12月18日再開した。この日の朝、避難用のバス複数台が武装集団に襲撃され、避難は一時中断したものの、夜には再開。少なくとも350人が、政府側が支配する地域に向かった。国連職員の話として、 BBCなどが報じた。
■市民の避難は合意されたものだったが…
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しかし、アサド政権を支援するロシア軍が2016年9月、空爆作戦を開始して以降、反体制派の形勢が不利な状態になった。12月13日にアサド政権が東側をほぼ制圧したことを受け、反体制派は市の東側から住民と戦闘員が撤退することで政権軍と合意した。
この合意を受け、12月15日、東側から市民の退避が始まったが、移送中の車両が何者かの銃撃を受けるなど、合意に反する行為があったとして中断した。18日に移送が再開される予定だったが、この日午前、移送を再開するために送られた複数のバスが、武装集団に襲われて放火され、再び避難は中断された。
BBCによるとアレッポ東部には現在も約5万人が取り残されているという。これらの人々が今後無事に避難できるかが、今後の焦点となる。時事ドットコムによると、国連の安全保障理事会は18日、安全な避難を国連の監視団が監視するというフランスの提案を協議。当初、ロシアは拒否権を行使する構えだったが、修正案がまとまり、19日に採択される見通しとなった。
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