イギリスの世論調査会社ユーガブ(YouGov)とビジネス紙エコノミスト(Economist)がアメリカ共和党員内で人気調査を行った。バラク・オバマ大統領やジョー・バイデン副大統領、共和党トップのミッチ・マコーネル上院院内総務などアメリカの政治家よりも好感度が高かったのは、ロシアのウラジミール・プーチン大統領だった。
ユーガブとエコノミストの最新調査によると、インターネットの共和党員好感度調査でロシアのウラジミール・プーチン大統領支持率は2014年7月時と比較して、驚異の56%増となっている。
調査対象となった共和党員のうち、37%がプーチン氏に対して非常に、あるいはそれなりに好ましく思うと答えている一方、47%が非常に、あるいはそれなりに否定的だと回答した。
ユーガブのウィル・ジョーダン氏によると、いまだに全体としては否定的だが、インターネット好感度調査結果はマイナス10%であり、同様の調査結果がマイナス66%だった2014年と比べると劇的に上昇しているという。
ウラジミール・プーチン大統領のインターネット好感度調査
ユーガブ/エコノミスト 調査(パーセント「好ましい」、マイナスパーセント「好ましくない」)
2014年7月からの共和党、民主党内のウラジミール・プーチン大統領好感度がこちら。
一方で民主党員のプーチン氏に対する姿勢は2014年よりもさらに悪化している。ユーガブとエコノミストの最新調査では民主党内の好感度はマイナス62%で、2014年のマイナス54%よりも下がっている。
全体的にはアメリカ人の21%がロシアの大統領に対して好意的な考えを持ち、否定派は56%だった。
ドナルド・トランプ次期大統領やマイク・ペンス次期副大統領と同じく、10人中9人の共和党員がプーチン氏を強いリーダーだと表現する。それでも、10人中7人はトランプ氏に「ロシアを巧みに動かす」能力がある、と信頼を寄せている。一方で、CIAが信用できると答えた共和党員はわずか28%にとどまった。
にもかかわらず、アメリカ人全体の58%がロシアをアメリカにとって非友好的、また敵対関係にある相手だと見なしている。この数値は共和党員に絞ると52%とやや下がり、トランプ氏に投票したと回答した人に限れば56%になる。
シリアで血みどろの内戦が続く中、プーチン氏はシリアの指導者、バッシャール・アサド氏と政府軍を支持している。シリア軍はアレッポでの戦いで市民を殺害していると報じられている。プーチン氏はアメリカの国政や大統領選への関与も取りざたされている。
CIAは12月第3週、アメリカの大統領選でトランプ氏を勝利させるためにロシアが実際にサイバー攻撃を仕掛けたと結論づけた。7月にウィキリークスが民主党全国委員会 (DNC)のメールを漏洩させた問題は、ロシアのハッカーによるものだった。
ユーガブとエコノミストの調査に対し、DNCへのハッキングの責任はロシア政府にあると考えるアメリカ国民の68%は、その目的がトランプ氏を当選させるものだと回答している。他の25%は、アメリカの選挙システムへの信頼を損なわせる目的だったのでは、と考えている。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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