フィギュアスケートの羽生結弦選手が優勝した11月のNHK杯で着用した鮮やかな紫色の衣装について、ネット上ではブルボンの菓子「ルマンド」に似ているとの声が相次いだが、12月8日のグランプリ(GP)ファイナルでも羽生選手は、NHK杯と同様の鮮やかな紫色の衣装でリンクに登場した。
プリンスの楽曲「レッツ・ゴー・クレイジー」にのせて演技する羽生選手、8日GPファイナル
Twitterでは「ルマンド食べながらフィギュア観る」「ルマンド食べながら羽生くん応援する」と、羽生選手にエールを送る投稿が見られた。
この大会で羽生選手は、GPファイナル史上初の4連覇を成し遂げた。すると今度は「お祝いにルマンド買ってきた」といった投稿も。ここへきてルマンドに、「フィギュアスケート観戦のお供」という思わぬ需要が生まれつつあるのかもしれない。
リンクの上で鮮やかに映える羽生選手の衣装は、4月に急逝したロックミュージシャン、プリンスをイメージしたものだと思われるが、美しい紫色と華やかな装飾から「ルマンド」を想起した人もいたようだ。
確かに、似ているかもしれない
■ブルボン広報「ルマンドを思い出していただき、大変ありがたいです」
「羽生選手の衣装とルマンドが似ている」と話題になったことで、ルマンドの売り上げに変化はあったのだろうか。
ブルボンの広報担当者はハフィントンポストの取材に対し「まだ直近のことですので、数字上では現れていませんが…」とした上で、「(羽生選手の衣装を)見た方が、偶然『似ている』とお感じになったのはありがたいねと、社内でも話しておりました」と語る。
「ルマンド」は1974年(昭和49年)からブルボンが発売するクッキー菓子。幾重にも重ねて焼きあげたクレープクッキーがココアクリームで包まれ、サクサクした歯ざわりが特徴だ。発売当初、プラスチックフィルムで個別包装にしたことでヒット。ピーク時にはルマンドを求め、問屋がトラックを仕立てて工場まで買い付けに来たこともあったという。
発売から40年以上が経過したが今もなお、ルマンドは根強い人気があるロングセラー商品だ。担当者によると、細かなデザインや帯などを除き、基本的なデザインや「ルマンド」の字体は発売当時から一緒だという。
「ルマンド」発売当初のパッケージ、13本150円(税別)だった
パッケージに紫色を採用したのはなぜなのか。担当者は「お菓子のパッケージとしては珍しい色ですが、発売当時はなお一層珍しかったと思います。紫色は高貴な色、品のある色で、ルマンドの高級なイメージを意識したもの」だと述べた。
11月のNHK杯ではネット上で「ゆづルマンド」なる言葉まで生まれた。今後、ルマンドと羽生選手のコラボの可能性はあるのだろうか。
ブルボンの担当者は、恐縮しながら「もしご提案をいただいたら大変ありがたいなと思いますが、羽生さんご自身はルマンドを意識していないのではないかと…。ただ、そういう風におっしゃっていただけるだけで、私どもとしてはありがたいです」と話す。
その一方で、「フィギュアでは(スポンサーになっている)他のメーカーの手前もあるので、あまり弊社が目立つのは…という思いもありますが」とした上で、「沢山のお客様にルマンドを感じていただけるのは、とてもありがたいです」と述べた。
担当者は「羽生さんは世界のトップでご活躍されている方ですので、今後もご活躍を願っております。『ぜひ頑張ってください』とお伝えしたいです」と羽生選手へのエールとともに、「ルマンドを長く愛していただきありがとうございます。今後ともルマンドをよろしくお願いいたします」とルマンド愛好家への感謝の気持ちを語った。
これまでも、陰陽師をイメージした衣装など、凛々しくも特徴的な姿を披露してきた羽生選手。白銀の氷上で、今後はどんな鮮やかな衣装を見せてくれるのだろうか。これからも羽生選手の衣装から目が離せない。
※「ルマンド」が発売された1974年(昭和49年)はこんな時代だった:
・アニメ「宇宙戦艦ヤマト」放送開始
・巨人の長嶋茂雄選手が引退
・フィリピンのルバング島で小野田寛郎元少尉を発見
・セブン-イレブンの日本第1号店が江東区にオープン
・田中角栄内閣が総辞職し、三木武夫内閣が発足
・「ウォーターゲート事件」でアメリカのニクソン大統領が辞任
12月19日からは2週間限定で、東京駅八重洲側の商業施設「東京駅一番街」内にある「東京おかしランド」でルマンドをアイスにした「ルマンドアイス」が発売される(1日500個限定)。
▼2016年NHK杯「羽生結弦の滑走シーン」スライドショー▼
【※】スライドショーが表示されない場合は→こちら。
【お知らせ】
ハフィントンポストでは、12月18日に働きかたに関するイベントを開催します。お申し込みは以下よりお願いします。
■イベント詳細と申し込み用フォームは下記リンクからもご確認いただけます。