米軍普天間飛行場に駐機するオスプレイ=1月16日、沖縄県宜野湾市
オスプレイが不時着水 2人けが 沖縄・名護東方沖
海上保安庁によると、13日午後9時50分ごろ、米軍の垂直離着陸機オスプレイが不時着水した、と米軍嘉手納基地から第11管区海上保安本部(那覇市)に連絡があった。11管や防衛省によると、不時着水したのは午後9時半ごろで、場所は同県名護市の東海岸から沖合約1キロ。乗員5人はライフボートで脱出し、うち2人はけがをしているという。
11管によると、出動したヘリが名護市安部(あぶ)付近のリーフ上に機体があるのを確認した。乗員は米軍のヘリがつり上げて救助したという。米海兵隊によると、このオスプレイは当時、米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市、宜野座村)沖の浅瀬に着陸を試みていたという。
オスプレイをめぐっては、米軍が2012年10月以降、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の老朽化した旧式機に代えて順次24機を配備。一方、沖縄県は「安全性に不安がある」と反発し、12年9月には配備反対の県民大会に10万1千人(主催者発表)が集まった。
同県うるま市の浜比嘉島にあるホテルの男性従業員(60)によると、13日午後10時前、東の沖合に赤色灯を回した船舶1隻を見たという。「オスプレイは多い時で日に2、3回飛ぶ。低空飛行なので、落ちたと聞いても驚きはない」と話した。
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〈オスプレイ〉 米軍の新型輸送機。プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機のような高速飛行を両立することができる。輸送ヘリCH46の後継機として開発され、航続距離は最長で5倍の約3900キロとされる。ただ、開発段階で事故が相次ぎ、安全性を危ぶむ声があった。2012~13年、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に計24機配備された。
■オスプレイの主な事故
1991年6月 試作機が米デラウェア州で墜落
92年7月 試作機がワシントン近郊で墜落、7人死亡
2000年4月 米アリゾナ州で墜落、19人死亡
12月 米ノースカロライナ州で墜落、4人死亡
10年4月 アフガニスタンで不時着、4人死亡
12年4月 モロッコで墜落、2人死亡
6月 米フロリダ州で墜落
14年10月 ペルシャ湾で発艦時に出力を失う事故で1人死亡
15年5月 米ハワイ州オアフ島で着陸に失敗、2人死亡
(朝日新聞デジタル 2016年12月14日 03時11分)