「彁」「妛」「閠」。これらの漢字をあなたは読めるだろうか。読めたら、残念ながらあなたは不正解だ。これらの文字はパソコンなどで普通に表示されるのに、読み方も分からなければ、実際に使われた形跡すらない。実在が疑われる「幽霊文字」なのだ。
幽霊文字は、パソコンなどで広く使われているJIS漢字コードが1978年に制定された際に、誤字などが紛れ込んでしまったものだと言われている。たとえば「妛」という文字は「山」と「女」という文字の合字「𑚴(あけび)」を転記する際に、活字がなかったために「山」と「女」という文字を貼り合わせた際に、紙の切れ目が線になってしまったと国立国語研究所の笹原宏之さんは著書の「日本の漢字」で指摘した。
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「通信用語の基礎知識」によると、笹原さんらがJIS漢字を1997年に調査した際に、典拠不詳、不明または同定不能とされた漢字は以下の12文字だ。