アメリカ・ノースダコタ州にあるアメリカ先住民のスタンディングロック居留地にある施設で、先住民スタンディングロック・スー族が、米軍の退役軍人に赦しを与える儀式を行った。アメリカ史を通じて先住民に行った軍事的抑圧を償う機会を、退役軍人たちに与えた。
居留地の水源が汚染される懸念から、石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設に反対していたアメリカ先住民が、抗議デモに協力したアメリカ軍の退役軍人たちに、数百年に及ぶアメリカ先住民抑圧に赦しを与えた。
アメリカ陸軍省は12月4日、水源となるミズーリ川をせき止めたダム湖「オアへ湖」の地下にパイプラインを通す工事を認可しないと発表した。
スタンディングロック・スー族の抗議デモ参加者たちが4日、ダコタ・アクセス・パイプラインの建設中止を勝ち取ったことを祝して、部族長のレオナルド・クロウドッグさんは、退役軍人の陸軍大将で元NATO軍最高司令官のウェズリー・クラーク陸軍大将の息子ウェズリー・クラーク・ジュニアさんたちへ、正式に赦しを与えた。
スタンディングロック居留地にある「フォー・プレーリー・ナイツ・カジノ&リゾート」 で、赦しの儀式の間、レオナルド・クロウドッグさんの前に跪くウェズリー・クラーク・ジュニアさん(中央)と他の退役軍人たち。
クラークさんは、先住民族への謝罪を発表した。
私たちの多くは、特に私は、この長い間、みなさんを苦しめてきた部隊に所属していました。私たちはこの地にやって来て、みなさんと闘いました。みなさんの土地を奪いました。私たちは条約を結んだのに、それを破りました。みなさんの神聖な丘から盗掘しました。さらに多くの土地を奪い、みなさんの子供たちを奪い、みなさんに言語をつくらせ、神がみなさんに与え、そして創造主がみなさんに与えた言語を排除しようとしました。この時、みなさんを尊重せず、みなさんの土地を汚し、いろいろな方法でみなさんを傷付けましたが、私たちは謝罪するには至りませんでした。私たちは何と言われても構いません、そして今、みなさんの赦しを乞います。
これは歴史的に見ても、先住民に対して何世紀にもわたった抑圧を許し、ダコタ・アクセス・パイプラインから共に土地を守った協調関係を讃える象徴的な儀式となった。
クロウドッグさんは、「私たちが、土地を所有しているのではありません。この土地が、私たちを所有しているのです」と答えた。クロウドッグさんは赦しを与え、世界が平和になることを願った。
先住民のフェイス・スポッテド・イーグルさんとイワン・ルッキングホースさんもまた、この儀式でスピーチした。
写真家のジョシュ・モーガンが、和解した様子を写真に収めた。
Josh Morgan for The Huffington Post
スタンディングロック・スー族の居留地にある「フォー・プレーリー・ナイツ・カジノ&リゾート」 で、感動的な赦しの儀式の間、サンフランシスコから来たラコタ族のマリア・マイケル博士と退役軍人のタチアナ・マクリーさんが抱き合う。
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ウェズリー・クラーク・ジュニアさんの頭上に手を乗せる、スー族の部族長レオナルド・クロウドッグさん(左)。
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赦しの儀式の間、スー族の部族長たちを撮影しながら、涙を流す退役軍人のタチアナ・マクリーさん。
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赦しの儀式には、500人以上が参加した。
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セージの葉を焚いた祝福を受ける退役軍人たち。
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赦しの儀式の参加者と抱き合う、ウェズリー・クラーク・ジュニアさん。
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ニューヨーク州バッファローから来たアメリカ空軍の退役軍人バージニア・マッキンタイアさんが涙を拭う。
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レオナルド・クロウドッグさんの前に跪く、ウェズリー・クラーク・ジュニアさんと退役軍人たち。
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スー族のアルボル・ルッキングホースさんと手を握り合う、アメリカ空軍の退役軍人のバージニア・マッキンタイアさん(左)。
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儀式に使うスマッジスティック(ハーブや香木を束ねたスティック)と羽根を持って周囲を歩くアメリカ陸軍の退役軍人、 ティー・コボルソンさん(右)とアロイシシャス・ベルさん。
Josh Morgan for The Huffington Post
儀式に使うスマッジスティックと羽根を持って周囲を歩くアメリカ陸軍の退役軍人、 ティー・コボルソンさん(右)とアロイシシャス・ベルさん。
Josh Morgan for The Huffington Post
赦しの儀式に参加した退役軍人たち。
Josh Morgan for The Huffington Post
イワン・ルッキングホースさんのスピーチに拍手を送る陸軍退役軍人ダグ・グッドフェザーさん。
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
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